2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノサイズバブルリポソーム投与下超音波照射を用いた感染性心内膜炎の効果的治療法
Project/Area Number |
21659201
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中谷 敏 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80393221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 一雄 帝京大学, 薬学部, 教授 (30130040)
浅沼 俊彦 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (80379271)
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Keywords | 超音波治療 / ナノサイズバブル / バブルリポソーム |
Research Abstract |
昨年度はin vitroでの検討を行ったが、本年度は生体に対してナノサイズバブルリポソームを用いたsonoporationを検討した。【方法】腹部大動脈にカニュレーションした雄性SDラット10匹の両脚大腿四頭筋(n=20)を用いた。大腿四頭筋への局所的な分子導入を評価するために、蛍光色素FITC-デキストラン(0.18mg/g)をバブルリポソームまたは生理食塩水と混合し、腹部大動脈より0.3ml/minにて持続注入した。バブルリポソーム(0.01ml/g)注入群(B(+)US(-)群、n=5)、バブルリポソーム注入に超音波照射を併用した群(B(+)US(+)群、n=5)、および生理食塩水(0.01ml/g)注入群(B(-)US(-)群、n=5)、生理食塩水注入に超音波照射を併用した群(B(-)US(+)群、n=5)の4群に分類した。超音波照射には、東芝社製探触子(周波数2.2MHz)を用い、mechanical index 1.6、照射間隔20秒、照射回数10回/秒とした。プロトコール終了後、大腿四頭筋を摘出し凍結切片を作製した。蛍光顕微鏡を用いてFITC-デキストランの血管外漏出の有無を観察した。また、EHSA法にてFITC-デキストランの吸光度(波長45nm)をマイクロプレートリーダーで測定し、FITC-デキストランの濃度を求めた。【結果】蛍光顕微鏡観察により、B(+)US(+)群ではFITC-デキストランが筋細胞に滞留しているのが認められたが、他群では認められなかった。各検体においてELISA法より求めたFITC-デキストラン濃度は、有意差を得るには至らなかったものの、B(+)US(+)群で46.3±31.3μg/mlと他群に比べやや高値を示した(B(+)US(-)群:31.7±18.6μg/ml、B(-)US(+)群:35.7±11.2μg/ml、B(-)US(-)群;27.7±16.2μg/ml)。【考察・結語】超音波照射とバブルリポソームの併用効果による局所分子導入の可能性が示唆された。
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