2011 Fiscal Year Annual Research Report
難治性喘息に対する創薬への挑戦-新規NF-kB阻害薬(DHMEQ)の可能性-
Project/Area Number |
21659206
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 正治 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00208224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤堂 省 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任教授 (60136463)
南須原 康行 北海道大学, 大学病院, 准教授 (30322811)
今野 哲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20399835)
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Keywords | 難治性喘息 / DHMEQ / 創薬 |
Research Abstract |
ステロイドの使用にもかかわらずコントロールに難渋するいわゆる難治性喘息の克服は、現在の気管支喘息診療の最重要課題であり、その意味で、新規治療薬の開発はきわめて重要である。本研究は、in vitro及びin vivoの系を用い、新規NF-kB阻害薬であるDHMEQのマウス喘息モデル(急性、慢性モデル)における効果に関する基礎的データの確立を目的とする。 平成23年度は、その最終段階として、DHMEQが、TNF-αやIL-4刺激による気道上皮細胞(BEAS-2B)からの種々のケモカイン産生を抑制することを見出した。また、ヒトPBMCにおいて、ダニ抗原刺激によるTh2サイトカインの産生が、DHMEQにより抑制されることも見出した。マウス喘息モデルにおいては、好酸球性気道炎症を特徴とする急性モデル、気道線維化を特徴とする慢性モデルの両モデルにおいて、DHMEQの腹腔内投与が、気管支肺胞洗浄液中の好酸球割合、Th2サイトカイン濃度、更には、気道過敏性、粘液産生、気道周囲の線維化を抑制することを見出し、またその再現性も確認した。低分子であるDHMEQは、他のNF-kB阻害薬と比較し副作用の出現が少ない事が予想されるが、本検討でも、40mg/kgの6週間の投与においても、重大な副作用がないことも確認した。最終的に英国のアレルギー学会誌(Clinical Experimental Allergy)に投稿し、その採択が決定した。
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