2010 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ脈管筋腫症(LAM)幹細胞の培養とLAMモデルマウス作成への応用
Project/Area Number |
21659210
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
瀬山 邦明 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10226681)
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Keywords | リンパ脈管筋腫症 / LAM細胞 / 腫瘍幹細胞 / 癌抑制遺伝子 / 結節性硬化症 / TSC2 / モデル動物 |
Research Abstract |
平成21年度にはLAM幹細胞を肺組織から分離するため、LAM症例の肺組織から効率よく遊離生細胞を採取する条件を検討した。その結果、dispase II 1000U/ml+コラゲナーゼーヤクルト120U/ml+0.005%トリプシンインヒビター+0.2mg-1.5mg/ml elastase in 5%牛胎児血清を含むSmBM培地に肺組織を細切したものを懸濁し、37℃ O/N(約16時間振盪)インキュベートした後、100μmのセルストレイナーを通して遊離細胞を含むろ液を50ml遠心管に回収し、培養に移行する方法が細胞の生存率や回収率がよいと結論した。本年度は4例のLAM摘出肺に上記処理を適応し、collagen(Type I)-coated 6 well microplate の 1 wellに移し、37℃、5%CO_2+5% O_2で培養、その後CD133ビーズでCD133陽性細胞の分離を目指した。しかし、原因ははっきりしないが、本年度は十分な生育細胞数が得られず、実質的な結果が得られなかった。一方、乳び胸水を合併したLAM症例から乳び液中のLAM細胞クラスター(LCC)を分離し、3次元培養により幹細胞を維持ならびに分離培養する試みを2例で開始した。1例ではLCC数が少なく継代困難であったが、他の1例ではLCCはプレート内で球状構造を維持しながら成育・増殖し続け、定期的に一部を採取して凍結細胞標本を作製している。経時的に保存したLCC標本でHMB45、SMA、ER、PgR、VEGFR-3、CD133、などの機能分子の発現を免疫染色により確認することにより、LAM幹細胞の有無あるいはLAM細胞の分化過程を検討する予定である。
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