2011 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ脈管筋腫症(LAM)幹細胞とLAMモデルマウス作成への応用
Project/Area Number |
21659210
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
瀬山 邦明 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10226681)
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Keywords | リンパ脈管筋腫症 / LAM細胞 / 腫瘍幹細胞 / 癌抑制遺伝子 / 結節性硬化症 / TSC2 / モデル動物 |
Research Abstract |
平成21年度にはLAM幹細胞を肺組織から分離するため、LAM症例の肺組織から効率よく遊離生細胞を採取する条件を検討し、平成22年度は肺細胞浮遊液から抗体で被覆された磁気ビーズを用いてCD133陽性細胞の分離を目指したが、十分なviabilityを保ちながら細胞懸濁液を調整する点で問題点を残していた。平成23年度は、東北大学先端医学研究講座久保裕司博士の指導・研究協力のもと、肺組織の保存方法、プロテアーゼ消化方法と浮遊細胞懸濁液調整の技術改良、CD133ビーズによる細胞分取ではく表面マーカーに基づくFACS sortngによりLAM細胞を分離することを試みた。具体的には、LAM症例の肺移植時に摘出した肺組織を細切し、dispaseII、collagenase、DNaseにより消化して細胞浮遊液を調整した。細胞浮遊液は蛍光色素でラベルされた4種類の表面マーカー抗体(抗ヒトCD45-Alexa700抗体、抗ヒトEpCAM-PE抗体、抗ヒトT1α-Alexa647抗体、抗ヒトVE-cadherin FITC抗体)とLive-dead discriminator 7-AADで標識後、FACS cell sorterで細胞を分画した。その結果、II型肺胞上皮細胞、血管内皮細胞、リンパ管内皮細胞、間葉系細胞を分離しえた。さらに、2例のLAM症例の肺組織からは、正常肺組織では通常得られない細胞分画として、EpCAM(-)/T1α low/VE-cadherin very low細胞画分を同定した。この分画はαSMA陽性であり、LAM細胞である可能性が高い。LAM細胞の証明にはTSC2 LOHの存在を確認する必要があるが、現時点では検出できていない。
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