2009 Fiscal Year Annual Research Report
腎疾患におけるオートファジー・リソゾーム系の病態への関与
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21659214
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
寺田 典生 Kochi University, 教育研究部・医療学系, 教授 (30251531)
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Keywords | 腎臓 / オートファジー / アポトーシス / 急性腎不全 / 再生医学 / 尿細管 / 虚血 / 透析療法 |
Research Abstract |
現在、末期腎不全により、透析療法に至っている患者数は、全国で28万人を越え、今後、糖尿病性腎症の増加、高齢化も加わり、さらに患者数の増加が予想され抜本的対策が急務である。腎障害には、大きく分けて糖尿病などの慢性的な腎障害と、急性腎障害のように数時間でおこるものがある。慢性腎障害時にはストレスにより酸化した蛋白の分解・清浄化の障害が働いていると考えられ、定常的に機能しているオートファジーの低下による異常蛋白の蓄積と細胞障害が病態に関与している可能性がある。また虚血などによる急性腎不全では、細胞は栄養飢餓状態になり、急速に誘導されるオートファジーの病態への関与が考えられる。しかしながら腎臓病の病態におけるオートファジーの役割については不明であるが、申請者らは、急性腎障害時にオートファジーが、アポトーシスに先行して近位尿細管で起こる事を発表した。すなわちLC3プロモーターにGFPを結合したトランスジェニックマウスの実験系を用いて急性腎障害でのマクロオートファジーを確認し、誘導的オートファジーの急性の腎疾患に関する実験を行い報告した。LC3プロモーターにGFPを結合したプラスミドを安定導入した、腎尿細管細胞を樹立した。さらに申請者らは、特にオートファジー・リソゾーム系について近年のタンパク分解系の分子機構の解明の細胞生物学的研究の発展をふまえて、腎疾患の病態への関与、解明を目指して実験系も確立しつつある。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
堀野太郎, 寺田典生
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Journal Title
電解質異常. 高・低Na血症, 高・低Cl血症. 専門医のための腎臓病学(医学書院)
Pages: 115-121
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