2009 Fiscal Year Annual Research Report
アディポネクチン/アディポネクチン受容体の増加・活性化剤の開発と成分同定
Project/Area Number |
21659228
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 敏正 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特任准教授 (40372370)
|
Keywords | アディポネクチン / インスリン / AdipoR / 糖代謝 / 脂質代謝 |
Research Abstract |
肥満はメタボリックシンドロームと糖尿病を惹起し、心血管疾患のリスク増大を招いて国民の健康寿命を短縮している。我々はアディポネクチンの低下がメタボリックシンドローム・糖尿病の発症・増悪の主因の一つであることを明らかにし(Nat Med7 : 941, 2001 ; Nat Genet 30 : 221, 2002)、受容体(AdipoR)を世界に先駆けて同定し(Nature 423 : 762, 2003)、低下しているアディポネクチン作用を増強させる事が、メタボリックシンドローム、糖尿病、心血管疾患の治療法になり得ることを示してきた(Nat Med 8 : 1288, 2002 ; Nat Med 13 : 332, 2007)。本研究では、(1)メタボリックシンドローム・糖尿病の原因に基づいた根本的予防法・治療法開発として、アディポネクチン・AdipoRを増加・活性化する健康食品を野菜・果物を含めた植物素材からスクリーニングすると共に、(2)その有効成分を同定し、(3)測定系を開発して、(4)果物・野菜の摂取量とその有効成分の血中濃度とメタボリックシンドローム・糖尿病との相関を検討する。(1)アディポネクチン・AdipoRを増加・活性化する健康食品を野菜・果物を含めた植物素材からスクリーニングして開発する:in vitroスクリーニング試験の結果、AMPKを活性化する候補を23素材見出し、その内、in vivoの動物実験においても、AMPKを活性化させることが確認出来た候補を9素材得ることが出来た。また、アディポネクチン・AdipoRを増加・活性化する健康食品の開発に関しても、あらゆる植物種を用いてin vitro, in vivoのスクリーニングを行った結果、AdipoR発現量を増加させる候補を29素材、アディポネクチン発現量を増加させる候補を15素材、得ることが出来、さらにin vivoにおける効果を発揮する素材候補も数個得た。(2)アディポネクチン・AdipdRを増加・活性化する有効成分の同定:アディポネクチン・AdipoRを増加・活性化する素材を水溶性・脂水性で分画し、さらに分子量で分画し、AdipoRとの結合活性及びAMPキナーゼ活性化能、AdipoR・アディポネクチンの発現量を増加させるかどうか検討した。高活性型である高分子量アディポネクチンを増加させるかどうか、検討した結果、候補となる粗成分を見出した。(3)アディポネクチン・AdipoRを増加・活性化する有効成分の測定系の確立:アディポネクチン・AdipoRを増加・活性化する有効成分の抗体を作製し、モデル動物へ投与して消化管吸収と血中レベル、組織への移行について測定を行った。(4)果物・野菜の摂取量と活性有効成分の血中濃度とメタボリックシンドローム・糖尿病との相関の検討:(1)の当該物質を豊富に含有する果物・植物などの食品素材1種類について、ヒトに投与し、一部効果を示した結果を得た。
|
-
[Journal Article] Adiponectin and Adipo1 regulate PGC-1alpha and mitochondria by Ca(2+) and AMPK/SIRT1.2010
Author(s)
Iwabu M, Yamauchi T, Okada-Iwabu M, Sato K, Nakagawa T, Funata M, Yamaguchi M, Namiki S, Nakayama R, Tabata M, Ogata H, Kubota N, Takamoto I, Hayashi YK, Yamauchi N, Waki H, Fukayama M, Nishino I, Tokuyama K, Ueki K, Oike Y, Ishii S, Hirose K, Shimizu T, Touhara K, Kadowaki T.
-
Journal Title
Nature (published oline Mar.31,2010)
Peer Reviewed
-
-
-
[Journal Article] Reconsideration of insulin signals induced by improved laboratory animal diets, Japanese and American diets, in IRS-2 deficcient mice.2009
Author(s)
Hashimoto H, Arai T, Mori A, Kawai K, Hikishima K, Ohnishi Y, Eto T, Ito M, Hioki K, Suzuki R, Ohsugi M, Saito M, Ueyama Y, Okano H, Yamauchi T, Kubota N, Ueki K, Tobe K, Tamaoki N, Kadowaki T, Kosaka K
-
Journal Title
Exp Clin Endocrinol Diabetes 117
Pages: 577-586
Peer Reviewed
-
-
-
-