2010 Fiscal Year Annual Research Report
AIRE研究を基盤にしたB細胞による1型糖尿病発症制御機構の解明
Project/Area Number |
21659230
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永淵 正法 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00150441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗崎 宏憲 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (70403962)
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Keywords | 自己免疫調節遺伝子(Aire) / Bリンパ球 / 1型糖尿病 / 膵島炎 / 膵臓炎 / 抗原提示 |
Research Abstract |
自己免疫糖尿病発症に関るBリンパ球とAire遺伝子の意義について、Balb/cマウス、NODマウスにおける検討を遂行中である。Aire遺伝子は、末梢のBリンパ球にマウスの系統に関らず発現していた。また、Aire KO Balb/cマウスでは、膵島炎のみならず、むしろ膵臓炎の病態を呈することが明らかとなりつつあり、自己抗体の産生の有無、標的抗原の探索を行った。免疫蛍光抗体法を施行した結果、Aire KOマウスの血清には、膵臓の腺房細胞の細胞質を細顆粒状に染色する自己抗体の存在が確認できた。また、その標的抗原はwestern blotにより70kDaの分子量であることが明らかとなった。今後、TOF/MAS法などを用いて、標的抗原の探索、同定を行う予定である。 一方、ヒトBリンパ球におけるAIREの意義については、マイクロアレイやFACSにより、抗原提示に関る分子群にAIREが関っているとの知見が蓄積ざれつつある。AIRE蛋白の表出については、アフィニティ純化C-末端ペプチド抗体を用いて、Western blotを行ったところ、AIRE遺伝子を導入したOTC-4細胞では、58kDaのAIRE全蛋白と45kDaのAIRE-2のスプライスバリアントと思われる蛋白を検出したのに対し、EBV-B細胞では、45kDaのフラグメント蛋白のみを検出した。この知見はAIRE蛋白を発現する細胞の種類によって、AIRE蛋白の作用が異なる可能性を示唆している。 そこで、今後は、免疫沈降法を用いて、AIRE蛋白と相互作用する蛋白のマススペクトロメトリー解析を行い、その同定を行う。さらに、クロマチン免疫沈降法を用いた、転写因子としての標的遺伝子探索を行う予定である。
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