2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト褐色細胞組織に存在する新規生理活性ペプチドの系統的探索
Project/Area Number |
21659234
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
北村 和雄 宮崎大学, 医学部, 教授 (50204912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑迫 健二 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 准教授 (20381098)
永田 さやか 宮崎大学, 医学部, 助教 (00452920)
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Keywords | 褐色細胞腫 / cAMP / Ca^<++> / 生理活性ペプチド / C末端アミド化 / 血管作動性物質 / アンジオテンシン / ラジオイムノアッセイ |
Research Abstract |
我々は1993年にヒト褐色細胞種組織より、アドレノメデュリンを強力な降圧作用を有する新規生理活性ペプチドとして発見した。我々はアドレノメデュリンの発見以降も、アドレノメデュリンの研究を推進すると同時に、さらなる新たな生理活性ペプチドの探索を粘り強くすすめている。本研究では次の3テーマで研究を推進している。 (1)副腎髄質由来のTGW細胞に作用する生理活性ペプチドの探索:副腎髄質由来の培養細胞であるTGW細胞のcAMPおよびCa^<++>増加作用を指標にしたアッセイ法を確立し、新規生理活性ペプチドの探索をすすめた。いくつかの生理活性ペプチドを単離し、構造解析を行ったが、VIP、PACAP等の既知のペプチドであった。しかし、本アッセイ系を利用すると生理活性ペプチドが間違いなく取れてくることがわかり、既知の生理活性ペプチドとは異なる分画からの精製・構造解析をすすめている。 (2)C末端アミド構造を有したペプチドの系統的検索:褐色細胞腫には、高濃度のアミド化酵素が含まれていることから、C末のアミド化された未知の生理活性ペプチドが存在すると考えられる。我々が独自に考案したC末がアミド化されたペプチドを選択的に精製する方法でペプチドの系統的検索をすすめた。精製構造解析の結果、アミド化されたペプチド以外にアミド化されてないペプチドも取れてくることが判明したため、精製法の再検討を行っている。 (3)アンジオテンシン関連ペプチドの系統的検索:アンジオテンシンIIのN末に特異的なラジオイムノアッセイ(RIA)と抗体を用いたアフィニティクロマトグラフィーを用いて、ヒト褐色細胞腫ペプチド分画より新たなアンジオテンシン関連ペプチドを単離し、現在構造解析中であり、次年度には最終的な構造が決定できる予定である。
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