2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗ヘルペス薬開発による難治性ウイルス性疾患・腫瘍の治療戦略
Project/Area Number |
21659237
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松岡 雅雄 Kyoto University, ウイルス研究所, 教授 (10244138)
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Keywords | ヘルペスウイルス / チミジンキナーゼ / 抗ウイルス薬 / Epstein-Barr virus |
Research Abstract |
ヘルペスウイルス特異的に複製を阻害する化合物を同定するために、内在性チミジンキナーゼ(thymidine kinase:TK)欠損細胞株(143B:骨肉腫由来TK(-)細胞株)にEpstein-Barr Virus(EBV)、Kaposi sarcoma herpes virus(KSHV)のTK遺伝子、コントロールとしてヒトTK遺伝子を発現するベクターをトランスフェクトし、ウイルスTK特異的にリン酸化され、DNA合成を傷害する薬剤を検出する系を樹立した。この細胞株を使い、EBV由来TK特異的に細胞を傷害する化合物をスクリーニングし、5種類の化合物を同定した。これらの化合物はEBV-TK発現細胞のみを傷害し、ウイルス非感染細胞には傷害作用を有しない。この化合物の中でYMS-95145は0.11μMという低濃度でEBV-TK陽性細胞を傷害することを見いだした。YMS-95145は慢性活動性EBV感染症患者から樹立された細胞株に傷害性を有していた。これらの細胞株はEBV-TKを発現しており、その傷害作用がEBV-TKを介するものであることを示唆していた。EBV-TKが、この傷害作用の責任分子であることを確認するために、EBV-TKの発現抑制を行った。shRNAによるノックダウンにより傷害作用が減弱することを明らかにした。これはYMS-95145の細胞傷害作用がEBV-TKを介するものであることを証明している。
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Research Products
(1 results)