2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞接着能を標的としたEVI1高発現白血病治療法の開発
Project/Area Number |
21659241
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
森下 和広 宮崎大学, 医学部, 教授 (80260321)
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Keywords | 接着依存性薬剤耐性(CAM-DR) / EVI1 / Zinc finger protein / 転写因子 / Integrin / Laminin |
Research Abstract |
1.ITGB4/ITGA6による細胞接着と抗がん剤耐性性の検討 EVI1高発現白血病細胞に対してshITGB4、shITGA6,shITGB1を導入し、matrigel及びMC3T3-E1細胞に対する細胞接着能低下はshITGB4及びshITGA6のみ見られた。またそれぞれの中和抗体を用いた実験により、ITGB4及びITGA6が特異的に細胞接着能を落とした。EVI1低発現白血病細胞にEVI1遺伝子導入すると、EVI1遺伝子発現依存的にITGA6及びITGB4遺伝子発現及び細胞接着能の亢進が見られた。抗がん剤耐性性はAraC及びVP16に対して、EVI1及びITGB4/ITGA6発現、及び細胞接着に依存した耐性性を示した。 2.ITGB4/ITGA6に対する遺伝子発現解析 ITGB4/ITGA6発現陽性細胞株ではMatrigelやLaminin接着によりPI3K/Akt経路が活性化された。また同時に抗アポトーシス作用を有するBCL2が活性化され、抗がん剤耐性性に関わる事が分かった。 3.ITGB4/ITGA6接着阻害効果のある抗体・新規低分子化合物の探索並びにin vivo試験 ITGB4に対する中和抗体が接着阻害効果を示すことが明らかになったため、抗体研究所と共同で、phage display法によりヒトITGB4/ITGA6抗体を開発した。ITGA6/B4複合体(5種)、ITGA6(3種)に対する抗体をスクリーニングした結果、EVI1高発現白血病細胞株への細胞障害性、及び抗がん剤への感受性の増大を示す抗体が確認された。現在健常人末梢血を用いたADCC、CDCアッセイを行ない、更なる治療抗体の絞り込みを目指している。
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Research Products
(4 results)