2009 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性炎症におけるPHF11ファミリーの機能解析と新規治療法の開発
Project/Area Number |
21659243
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
徳久 剛史 Chiba University, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 雅史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00202763)
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Keywords | Bリンパ球 / ヘルパーT細胞 / 胚中心 / Igクラススイッチ / アレルギー疾患 / IgE抗体 |
Research Abstract |
PHF11は近年発見された喘息感受性遺伝子の一つで、その遺伝子多型と高IgE血症や難治性喘息との相関が報告されている。PHF11は、全身臓器において発現しているが、特にB、T細胞を含む免疫細胞で強く発現している。これらの結果から、PHF11のリンパ球分化や活性化における機能が推測されているが、詳細は不明である。そこで、PHF11がリンパ球で特異的に過剰発現するトランスジェニック(Tg)マウスを作製し、脾臓由来リンパ球の活性化能、分化能を解析した。 まず初めに野生型及びTgマウスの脾臓B細胞をIL-4の存在下で抗IgM抗体と抗CD40抗体で刺激し、In vitroでIgG1やIgEへのIgクラススイッチや抗体産生細胞への分化を解析した。その結果、IgG1陽性B細胞数やIgE陽性B細胞数はTgマウスにおいて有意に増加していた。又、培養上清中のIgG1やIgE抗体価はTgマウスにおいてともに増加を認めた。さらに、In vivoで野生型マウス及びTgマウスをNP-CGG-Alumで免疫して血中特異抗体価を測定したところ、Tgマウスで免疫後2週目以降のIgG1抗NP抗体価が野生型マウスよりも著しく高値を示した。このことから、骨髄中のlong-lived plasma細胞が増加している可能性が示唆された。さらに、免疫10日後の脾臓細胞中の胚中心形成能と抗原特異的なIgG1陽性B細胞の分化を解析したところ、胚中心形成では正常マウスのそれと大きな違いはみられなかったが、胚中心における抗原特異的IgG1陽性細胞数はTgマウスで増加していた。 以上の結果より、PHF11は成熟B細胞が抗原刺激とヘルパーT細胞からのヘルプを受けてIgクラススイッチを経てIgG1やIgE産生plasma細胞に至る分化過程を正の方向へ促進している可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)