2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト化マウスを用いた各種ヒト幹細胞の新たな評価系の確立
Project/Area Number |
21659255
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中畑 龍俊 Kyoto University, 物質細胞総合システム拠点, 特定拠点教授 (20110744)
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Keywords | ES細胞 / ヒト / 再生医療 / 幹細胞 / NOGマウス |
Research Abstract |
組織幹細胞は、各組織で特有な機能を発揮する必要がある。一方、in vivaにおいては移植された細胞が、目的としない組織を形成したり、腫瘍性病変等の発生の危惧を除外する必要がある。マウスと異なり、ヒトES細胞やiPS細胞由来組織幹細胞の機能評価には、ヒト以外の動物を用いたシステムの開発が必須である。しかし、そこには異種間移植という免疫学バリアーが存在する。近年、我々は、従来多用されてきたNOD/SCIDマウスに、更なる免疫不全を引き起こすcommon IL-2 receptor gamma chainの変異を導入したNOGマウスを作成した。ヒト臍帯血由来造血幹細胞をこのマウスに移植すると、ヒト造血機構、免疫機構に加えてヒト肝組織がより効率的に再構築されることを明らかにした。本研究ではヒトES細胞やips細胞由来のさまざまな組織幹細胞をこのマウスに移植し、目的とする組織への生着、増幅、分化、機能構築が達成されるか、また予期しない副反応が発生しないか等について、検討を加えた。 ヒトES細胞から誘導したVEGFR-2、CD34両者陽性細胞は様々な血液細胞、血管内皮細胞、両者に共通の母細胞(ヘマンジオブラスト)を含むことが明らかとなった。このようにES細胞から誘導した各種細胞をNOGマウスに移植する実験を精力的に行なっているが、未だマウス骨髄を再構築させる能力を持った造血幹細胞は検出できていない。世界的にもES細胞から造血幹細胞を誘導する実験が行なわれているが、HOXB4遺伝子を新たに導入するなどの操作をしない限りES細胞からの造血幹細胞の誘導には誰も成功していない。遺伝子導入することなくES細胞から造血幹細胞を誘導する系を確立すべく検討中である。最近、我々の研究室においてヒトES細胞から心筋細胞、骨格筋細胞を誘導することが可能となったが、それらの幹細胞を認識する細胞表面抗原は同定されておらず、検討中である。
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Research Products
(29 results)