2010 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクス解析を用いた川崎病患者における冠動脈内皮細胞抗原の同定と病型分類
Project/Area Number |
21659258
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
浜岡 建城 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (60189602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 眞佐志 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (50275202)
小澤 誠一郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (40405246)
問山 健太郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00433285)
加藤 竜一 京都府立医科大学, 医学部・附属病院, 専攻医 (80398370)
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Keywords | 川崎病 / 自己免疫 / ウエスタンブロット / 内皮細胞 / プロテオミクス解析 / バイオマーカー |
Research Abstract |
川崎病は自己免疫の関与する抗体病であるとの仮説の下、冠動脈内皮細胞に発現する自己抗原の検索を患者血清で行った。一次元でのSDS-PAGEおよびウエスタンブロッティングの結果、川崎病患者血清中には冠動脈内皮細胞成分と特異的に反応するIgG分画の自己抗体が複数存在した。川崎病特異的なものは見出せなかったが中動脈炎に共通に関与する分子群である可能性が示唆された。また、患者毎に自己抗原プロファイルは異なり、同一患者においでも病態の変動に応じて経時的に変動することから、疾患のヘテロな病像を示唆するとともに、川崎病の病態に関連する可能性が示された。 次に、二次元電気泳動を用いたプロテオミクス解析により、川崎病患者ではTNFa刺激によりヒト冠動脈内皮細胞に最も強く誘導される分子としてPeroxiredoxin-1(PRDX1)が検出された。また抗PRDX1抗体価は炎症の進行とともに低下し、免疫グロブリン療法後の炎症改善と共に上昇することから炎症時に生体にとって防御的役割を果たしている可能性が示唆された。 以上から、Peroxiredoxin-1(PRDX1)の動態の解析は、川崎病発症の機序の解明とともに、川崎病の病態評価においても有力なバイオマーカーとして臨床面で用いられる可能性が考えられる。
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