2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗体・糖鎖連結光増感薬を用いた新たな光化学療法の開発
Project/Area Number |
21659269
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
森田 明理 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (30264732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 晃 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00319708)
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Keywords | 可視光線 / 活性酸素 / 紫外線 / 光増感薬 / フラーレン |
Research Abstract |
光化学療法に用いる新たなソラレン(8-MOP)にかわる光増感薬を開発することを目標とした。活性酸素発生効率の良いフラーレン(C_60)と、腫瘍集積性や水溶性の向上が見込めるグルコースを連結し、PDT効果やメカニズム、in vivoでの効果を検討した。C_60-(Glc)1(D-グルコース連結フラーレン)もしくはC_60-(6Glc)1(マルトヘキサオース連結フラーレン)存在下で24時間インキュベートし、UVA_1 5 J/cm2を照射した。その結果、PDTは顕著な光細胞毒性効果を示した(%survival C60-(Glc)1: 1.5%、 C60-(6Glc)1:17.5%)。一方、正常ヒト線維芽細胞に対しては、PDT効果を示さなかった(%survival C60-(Glc)1:995%、 C60-(6Glc)1:98.8%)。糖鎖連結フラーレンを用いたPDTは、がん細胞に対してのみ光毒性効果を持つことが示された。in vivoでのPDT効果を調べるために、ヌードマウスにCOLO679細胞を移植した。この腫瘍に、局所注射によってC_60-(Glc)1を投与し、4時間後にUVA_1 10J/cm^2を照射した。その結果、PDTを行わなかった腫瘍に比べて、0.1mgの場合で5匹中3匹、0.2mgの場合で5匹中4匹の腫瘍の成長が抑えられた。糖鎖連結フラーレンC_60-(Glc)1やC_60-(6Glc)1は、がん細胞に対して選択的に取り込まれ、高い光毒性効果を示すことを示した。この光毒性効果は、取り込まれた糖鎖連結フラーレンがUVA_1と光化学反応を起こし、活性酸素、特に一重項酸素が発生することで生じていると考えられる。細胞への効果だけでなく、ヌードマウスの腫瘍の成長を抑えたことから、この糖鎖連結フラーレンは、PDT用の光感受性物質として有用であることが示された。
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[Journal Article] The development of a filter to enhance the efficacy and safety of excimer light(308nm)therapy2009
Author(s)
Keiko Kobayashi, Yoko Yasuda, Yoichi Shintani, Taku Sumitomo, Takashi Saga, Makoto Kimura, Aya Yamamoto, Toshio Mori, Akira Maeda, Yuji Yamaguchi, Akimichi Morita
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Journal Title
Photoderm Photoimmunol Photomedicin 25
Pages: 30-36
Peer Reviewed
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