2009 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症における体細胞変異と染色体脆弱性の脳ゲノム研究
Project/Area Number |
21659273
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
那波 宏之 Niigata University, 脳研究所, 教授 (50183083)
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Keywords | 統合失調症 / ゲノム不安定性 / 体細胞変異 / マイクロサテライト |
Research Abstract |
統合失調症や自閉症の大規模ゲノム研究において、患者には弧発性de novoの遺伝子変異が多く見られることから、これら精神疾患とゲノム不安定性との関連が重要視されている。しかし、統合失調症におけるゲノム不安定性の神経科学的意味やその変異細胞の分布(生殖細胞列vs体細胞系列)は不明のままであった。そこで本研究では、ヒト脳神経細胞での体細胞ゲノムの不安定性を評価し、統合失調症との関連を分析することにした。本年度は、新潟大学脳研究所や他の共同研究期間の保管する統合失調症の患者と非精神疾患で亡くなられたヒトの凍結死後脳(各50例)をサンプリングし、ゲノムDNAを抽出して、その品質評価をした。同脳研究所で東日本ゲノムタイピングセンターを運営する桑野良三教授(連携研究者)のその協力を得て、連鎖解析用に設計されたマイクロサテライト用全ゲノム用プライマー500セットを用いて、統合失調症群48例例、非精神病群48例、合計96例の脳DNAのマイクロサテライト長を測定している。3月現在、300プライマーのマイクロサテライト解析を完了していて、順調にデータ取得が進行中である。完了しだいマイクロサテライト不安定性を生じているゲノム領域を探索する計画である。 もう一方の課題である脳内ゲノムのゲノムコピー数変異解析については、アジレント社のDNAマイクロアレイプラットフォームを購入し、予備実験を実施し、その実験・解析上での技術的問題点、課題を洗い出しているところである。
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