2009 Fiscal Year Annual Research Report
生化学的カスケードネットワークの解析による統合失調症研究
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21659279
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| Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
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Principal Investigator |
糸川 昌成 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都精神医学総合研究所, 参事研究員 (40332324)
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| Keywords | グルタチオン / 亜鉛 / 葉酸 / ホモシステイン / 統合失調症 / 終末糖化産物 |
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| Research Abstract |
多発家系の発端者から終末糖化産物(Advanced Glycation End products ; AGEs)の中和酵素glyoxalase1(GLO1)遺伝子にフレームシフト変異を同定した。フレームシフトにより終始コドンが早期に発生したため、症例ではGLO1のmRNA、蛋白発現量ともに野生型の50%まで低下し、その結果GLO1の酵素活性も半分しかないことをつきとめた。症例の末梢血ではAGEsが野生型の個体の3.7倍まで増加し、AGEsのスカベンジャーであるビタミンB6が5分の1まで低下していた。この家系内ではAGEsの蓄積と疾患が関連する可能性が示唆された。この家系以外にもAGEsの蓄積が統合失調症には発生しているのか検証するために、統合失調症200例、健常者95例の末梢血を用いてAGEsを測定した。患者の83例(41.5%)、対照の6例(6.3%)でAGEsの上昇(対照の平均値の2SDをカットオフ値)を認めた。AGEs蓄積の有無と患者・対照について2x2のχ2検定を行ったところ、AGEs蓄積は有意に統合失調症と関連した(χ2=37.84,P<0.0001,Oddsratio=10.52(95%CI=4.39-25.19)。AGEの蓄積を伴う症例では、GLO1の補酵素であるグルタチオンと亜鉛の低下、葉酸の低下、ホモシステインの上昇を認め、それぞれの代謝カスケードが平衡関係にあることから、広範な生化学カスケードの相互作用に偏倚をもたらしている可能性が示唆された。
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[Journal Article] Enhanced Carbonyl Stress in a Subpopulation of Schizophrenia
Author(s)
Arai M, Yuzawa H, Nohara I, Ohnishi T, Obata N, Iwayama Y, Haga S, Toyota T, Ujike H, Arai M, Ichikawa T, Nishida A, Tanaka Y, Furukawa A, Aikawa Y, Kuroda O, Niizato K, Izawa R, Nakamura K, Mori N, Matsuzawa D, Hashimoto K, Iyo M, Sora I, Matsushita_M, Okazaki Y, Yoshikawa T, Miyata T, Itokawa M.
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Journal Title
Arch Gene Psychiatry (in press)
Peer Reviewed
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[Presentation] 統合失調症の病態におけるカルボニルストレス代謝制御に関する研究2010
Author(s)
新井誠, 糸川昌成, 吉川武男, 有波忠雄, 氏家寛, 尾崎紀夫, 橋本亮太, 笠井清登, 橋本謙二, 森則夫, 岩田仲生, 岡崎祐士, 宮田敏男
Organizer
第5回日本統合失調症学会
Place of Presentation
福岡
Year and Date
2010-03-26
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[Presentation] カルボニルストレス性統合失調症の病態研究2010
Author(s)
糸川昌成, 新井誠, 湯澤公子, 市川智恵, 大西哲生, 豊田倫子, 伊豫雅臣, 松澤大輔, 橋本謙二, 中村和彦, 森則夫, 福本素由乙, 橋本亮太, 久島周, 尾崎紀夫, 小池進介, 滝沢龍, 笠井清登, 岩田仲生, 有波忠雄, 石黒浩毅, 今村明, 稲田俊也, 氏家寛, 岡崎祐士, 吉川武男, 宮田敏男
Organizer
第17回日本精神・行動遺伝医学会
Place of Presentation
高槻
Year and Date
2010-02-11
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[Presentation] カルボニルストレス性統合失調症の病態に関する研究2009
Author(s)
新井誠, 湯澤公子, 小幡菜々子, 野原泉, 新井麻友美, 市川智恵, 豊田倫子, 大西哲生, 氏家寛, 曽良一郎, 岡崎祐士, 吉川武男, 宮田敏男, 糸川昌成
Organizer
第82回日本生化学会大会
Place of Presentation
神戸
Year and Date
2009-10-24
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[Presentation] カルボニルストレス性統合失調症の病態に関する研究2009
Author(s)
新井誠, 湯澤公子, 野原泉, 小幡菜々子, 羽賀誠一, 大西哲生, 豊由倫子, 氏家寛, 曽良一郎, 岡崎祐士, 吉川武男, 宮田敏男, 糸川昌成
Organizer
第31回日本生物学的精神医学会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2009-04-25
