2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659280
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
白川 美也子 Showa University, 医学部, 助教 (60536093)
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Keywords | 母子保健 / 児童思春期精神医学 / 育児困難・虐待 / 精神生理学 / ストレス / トラウマ / 産後うつ病 / アタッチメント |
Research Abstract |
本研究は、DV等の被害をうけて困難な状況にある母親のメンタルヘルスの実態と、出生する児の発達および行動の状態や母子相互作用にどのような関連をもつかを調査するものである。平成21年度は、所属部署での倫理委員会申請が許されなかったため、研究者は研究協力者と共に研究遂行に必要な行動観察法(ブラゼルトン新生児行動評価法:以下NBAS)および母子相互作用アセスメント法(Nursing Child Assessment of Teaching:以下NCAT)の習得に努め、地域の助産院、病院、施設において手技を高め、1月にバースコホートを行っている昭和大学精神医学教室に移.籍した。その上で、NBASおよびNCASTの研究レベルの資格を3月に取得したことが今年度最大の成果である。 その後も社会福祉領域における精神医学的調査の土台がなく、困難を極めたが、現在、立教大学のアタッチメントの研究者である林もも子教授と協力関係を結び、社会福祉施設を利用するDV等による被害をうけた周産期の女性に対して、産前からのアプローチを行い、出産後も追跡する研究計画をたて、現在倫理委員会に申請中である。 概要は(1) 産前にアタッチメント・スタイル面接、ストレス・コーピング・スタイル、MINIによる精神科的診断、GHQ12やBDIなどによるストレスや抑うつの状態、PBIによる母子のつながりの感覚、社会的サポートやライフスタイル、セルフ・エスティームなどの精神的健康度を測定する質問紙を順次実施し、自律神経バランスの指標である心拍変動を測定。(2) 産後3~4日目に研究者は、出産する病院における倫理的検討および担当医の同意を得た上で出向き、BDIやEPDSによるマタニティブルーズの出現、NBASやNCATSを行い、母子のHRVを測定。(3) 1ヶ月後に再度ストレスや抑うつの状態をみる質問紙と、NBAS, NCATSを行い、HRVを測定する。アクチグラフによる睡眠リズムの測定も行う。正常対照群との比較検討を行い、母親のメンタルヘルスと児の状態や母子相互作用の関連を検討する。
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