2009 Fiscal Year Annual Research Report
Common経路とSpecific経路による食道癌化学療法感受性の解析
Project/Area Number |
21659302
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土岐 祐一郎 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (20291445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧口 修司 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00301268)
藤原 義之 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40314330)
宮田 博志 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80362713)
山崎 誠 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50444518)
牧野 知紀 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80528620)
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Keywords | DNAマイクロアレイ / 化学療法感受性 / 放射線感受性 / 食道癌 / P53 |
Research Abstract |
食道癌化学療法感受性因子をDNAマイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析を用いて、発現変化の頻度は低いが、その変動(増加もしくは減少)の幅が大きく、細胞機能に強く影響すると思われる遺伝子(specific gene)を同定しようと試みた。化学療法前の生検標本を用い、12遺伝子(CD63,KRT18,FCGBP,DKK1,LRRC,BYSL,TNFSF10,ABCC2,SLC25A6,CHKB,KRT8,FN1)を感受性候補遺伝子として同定した。 次にRT-PCR,免疫染色による確認を行った。まず、進行食道癌24例術前化学療法12例、未治療12例の切除標本でこれらの遺伝子の発現を検討したところ12遺伝子は化学療法後で高発現する傾向を認め、抗癌剤の獲得耐性に関係している可能性が示唆された。現在、12遺伝子の関与を生検材料のRT-PCRで前向きに検証している。 続いて感受性遺伝子の中でKRT18,KRT8,DKK1について詳細に検討するために、切除標本200例の免疫染色を行った。いずれも強発現する群が有意に予後不良であった。食道癌の新規の予後マーカーとして論文報告した。続いて細胞株を用いてこれら遺伝子の機能解析を行った。siRNAを用いてこれら感受性遺伝子の発現を抑制し、増殖・浸潤などの腫瘍の悪性度が亢進する、抗癌剤感受性が増大するか?の検討を行っている。一定の傾向はあるものの確定には至っておらず現在条件設定を行っている段階である。 一方、既存のマーカーとしてp53遺伝子の遺伝子変異と抗癌剤・放射線療法の感受性を臨床材料を用いて検討した。有意な関連を認めたので論文報告した。
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