2009 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸アパタイトナノテクノロジーによる難治性固形癌の治療法の開発
Project/Area Number |
21659304
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 浩文 Osaka University, 医学系研究科, 講師 (30322184)
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Keywords | 炭酸アパタイト / ナノテクノロジー / DDS |
Research Abstract |
(目的)新しいナノデリバリーシステム炭酸アパタイト(carbonate apatite)ナノ粒子法を用いて難治性消化器癌に対する新規治療法を開発することを目的とする。 (研究の進捗状況) 1.薬物の担体としての検討 各種の抗癌剤を用いた検討の結果、炭酸アパタイトと安定なイオン粒子を形成する薬物としてシスプラチンとアドリアマイシンが適合した。いずれもfreeの単体の薬物状態よりもアパタイトに封入した方が腫瘍細胞に対する殺傷能力が増強した。Atomic absorption spectrophotometryやHPLC法によって内包される薬物量を再現性をもって測定できた。電子顕微鏡で観察したナノ粒子サイズは60~200nm程度であり生体でのデリバリーに適していることがわかった。 2.核酸の担体としての検討 1)FITC蛍光ラベルしたsiRNAを炭酸アパタイトに内包し、癌細胞への取り込みを蛍光顕微鏡とflowcytometryによって経時的に調べた。リポゾームに比べて高い取り込み効率を示し、早いタイミングで細胞内に取り込まれることがわかった。細胞内のエンドソームのpH.5.6に対応して速やかに分解されるため蛍光物質の細胞内代謝も早いことがわかった。 2)In vitroでsurvivin siRNAを内包した炭酸アパタイトによるsurvivinの蛋白発現の低下を確認した。リポゾームよりも早い時間でより強いsurvivin蛋白発現の低下を認めた。 3)マウスの皮下腫瘍モデルを作成し、蛍光標識した核酸を内包する炭酸アパタイトを静脈内へ投与し、腫瘍内の蛍光物質量を検討中である。
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