2010 Fiscal Year Annual Research Report
超低分子・低コスト・設計自由の人工抗体による抗癌分子標的薬開発システムの構築
Project/Area Number |
21659306
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 雅史 九州大学, 大学病院, 講師 (30372741)
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Keywords | ペプチド / Ptched1 / Hedgehog / 乳癌 / 癌性幹細胞 |
Research Abstract |
(目的)昨年度に合成しHedgehogシグナル抑制効果を確認したPtch1親和性ペプチドによる癌性幹細胞制御の可能性を検討した。昨年低濃度による抑制効果を認めなかったので、濃度増加による効果を試みた。(材料と方法)乳癌細胞株MCF7と我々が同定しているPatched1蛋白親和性ペプチド3種B/C/F、もしくはコントロールペプチドDをMCF7と72時間共培養した。この後、トリプシンで細胞株を回収し、抗CD44+抗体、抗CD24抗体で2重染色を行った後にflowcytometryを行い、乳癌幹細胞分画であるCD44+/CD24^<-/low>の割合変化を検討した。昨年の検討で使用した1μg/mlではペプチドの効果を認めなかったので、今回は濃度増加による効果を確認した。(結果)共培養しない条件下でのCD44+/CD24^<-/low>分画の割合は25%だった。Pathed1親和性ペプチド3種B/C/FをMCF7細胞と共培養しflowcytometryで解析したところ、コントロールペプチドD及びPtch1親和性ペプチドB/C/Fと共培養後のCD44+/CD24^<-/low>分画の割合(%)は、1μg/ml・5μg/mlの各濃度で各々24・24、32・16、29・15だった。(考察)1μg/mlではCD44+/CD24^<-/low>分画の抑制効果がなく、10μg/mlではB/C/F3種のペプチドでCD44+/CD24^<-/low>分画の割合が減少した。Patched1親和性ペプチドは、高濃度でMCF7癌幹細胞分画の制御が可能であることが示された。
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