2009 Fiscal Year Annual Research Report
革新的三次元培養法による肝幹細胞を起点とした肝臓組織の再構築
Project/Area Number |
21659308
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小池 直人 Yokohama City University, 医学研究科, 客員研究員 (50301081)
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Keywords | 幹細胞 / 自己複製 / 三次元培養 / 組織構築 / 血管化 |
Research Abstract |
本研究では、幹細胞を起点とした固形臓器の組織化過程を理解するため、申請者らが独自に確立した血管網の人為的再構成系を駆使して、肝幹細胞を起点とした肝臓組織の再構築法を開発している。平成21年度においては、移植源とするヒト肝幹細胞の大量調製を目的とし、ヒト肝幹細胞の自己複製を制御可能な遺伝子発現誘導系の構築を行った。 肝幹細胞の自己複製については、これまでに、発生・分化に関わる様々な遺伝子群の転写抑制に寄与するとされるポリコーム群タンパク質Bmilの関与が報告されているため、レトロウイルス遺伝子導入系を用いてヒト肝幹細胞へBMI1等を過剰発現させ、in vitroコロニーアッセイ系を用いてヒト肝幹細胞の表現型に及ぼす影響を検討した。その結果、BMI1を過剰発現させた肝幹細胞において、細胞増殖の亢進が観察された。さらに、BMI1を過剰発現させた群において、肝細胞マーカーであるアルブミンと胆管細胞マーカーであるサイトケラチン19の双方を発現する未分化細胞の存在頻度が増加していることが明らかとなった。これらのことから、BMI1はヒト肝幹細胞の自己複製を「正」に制御するものと考えられた。また、本年度はヒト肝幹細胞の可視化を目的とし、レトロウイルスベクターによるヒト肝幹細胞への蛍光レポーター遺伝子の導入法について検討を行った。レトロウイルスベクターを用いてヒト肝幹細胞に緑色蛍光タンパク質(EGFP)を導入したところ、EGFPの発現が長期間観察された。これにより、ヒト肝幹細胞の生体内動態解析に向けた基盤技術が確立された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Intraductal tubulopapillary neoplasms of the pancreas distinct from pancreatic intraepithelial neoplasia and intraductal papillary mucinous neoplasms2009
Author(s)
Yamaguchi H, Shimizu M, Ban S, Koyama I, Hatori T, Fujita I, Yamamoto M, Kawamura S, Kobayashi M, Ishida K, Morikawa T, Motoi F, Unno M, Kanno A, Satoh K, Shimosegawa T, Orikasa H, Watanabe T, Nishimura K, Ebihara Y, Koike N, Furukawa T
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Journal Title
Am J Surg Pathol. 33
Pages: 1164-1172
Peer Reviewed
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