2010 Fiscal Year Annual Research Report
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21659317
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
平野 茂樹 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10018765)
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Keywords | 鳥類漿尿膜 / ダチョウ有精卵 / 鳥類胚子肝臓 / マウス胎児肝臓 / 洞様血管 / 内皮細胞 / 肝臓細胞培養 / 肝臓形質転換 |
Research Abstract |
平成22年度は1)ダチョウ卵を使った実験の確立、2)培養肝細胞シートからの肝臓再生、3)血管吻合仲介物質の検討、4)骨髄由来細胞からの洞様血管内皮細胞の分化、を目標に計画を立てた。 ダチョウ卵を使った実験については厚さ2mm以上の卵殻の消毒が最重要課題であることが判明した。そこで次亜塩素酸による消毒と大量の水による水洗で感染による死亡が押さえられた。そこでダチョウ胚肝臓を移植し、肝再生が正常発生と同じ経緯をたどったことから、ダチョウ漿尿膜が肝臓再生の場になる事を確認した。これを受けて、ニワトリ胚肝臓をダチョウ胚漿尿膜に移植し、長期間培養による肝臓再生を観察し、ニワトリ胚漿尿膜に移植した時と同じ経緯をたどって肝臓の再生が起きたが、二週間を過ぎると(ニワトリとしては艀化後のステージ)崩壊を始めることが観察され、肝臓の胚型から成体型への形質転換が想定された。 培養細胞シートからの肝臓再生については、ニワトリ胚子肝臓細胞を二日間の培養の後ニワトリ漿尿膜に移植したところ、造血が起きているにも関わらず洞様血管の発生の無いことが判った。この事から洞様血管内皮細胞の由来を造血組織以外に求める必要がある可能性が示された。よって4)骨髄由来細胞からの内皮細胞分化については再考中である。 再生したマウス胚肝臓に発生した洞様血管が漿尿膜の血管と吻合している事が確認できたが、再生肝臓の中で発生したマウス血液が流出していない事が判明し、再生肝臓の中で血液凝固が生じている可能性が示唆された。よって血管吻合仲介物質の検討の前に、血液凝固の防止索を講じる必要のあることが示唆された。 平成22年度に得られた以上の結果をもとに、次年度はダチョウ漿尿膜を足場に肝臓の性質転換を確認すること、培養中に洞様血管内皮の分化要素が失われる原因を追及すること、再生マウス肝臓中の洞様血管から凝固血液を除去する方法を関拓する検討を行う。
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