2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工ウイルスを用いた早期膵腫瘍低侵襲膵管内治療の開発
Project/Area Number |
21659322
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永井 英司 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 准教授 (30264021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 義浩 九州大学, 大学院・医学研究院, 共同研究員 (40507795)
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Keywords | 膵癌 / 人工ウイルス |
Research Abstract |
最近の診断技術の進歩に伴い膵癌の早期腫瘍病変、前癌病変が同定されるようになったが、膵腫瘍に対する低侵襲治療はいまだ確立されていない。本研究の目的は、経内視鏡的に膵管内へ新規ドラッグデリバリーシステムである人工ウイルスを投与し、早期膵腫瘍病変を特異的に標的とする低侵襲膵管内治療法を開発することである。本年度以下の研究を行った。1.膵早期腫瘍性病変特異的分子の同定:手術切除標本から癌病変を分取し、早期癌病変を解析した結果、S100P、MUC5ACを標的候補と同定した。2.薬剤内包人工ウイルスの作成:膵癌治療薬であるGEMを用いて人工ウイルス粒子Mj285への内包化を行った。内包化条件として55℃、30分の条件下で、人工ウイルス粒子1molに対し、GEM1 1molが内包化できることを液体クロマトグラフィーにて確認し、GEM内包化人工ウイルスの作成に成功した。また、作成した新規GEM内包化人工ウイルスは膵癌細胞株に対しGEM単剤と遜色なく殺細胞効果を示し、期待通りに機能することを確認した。3.膵早期腫瘍性病変を標的とする抗癌剤内包人工ウイルスの作成:GEM内包化人工ウイルスにS100P、MUC5ACを標的としたアンテナ分子を複合化し、新規人工ウイルスを作成した。現在、新規人工ウイルスを用いてin vitroでの機能評価を行っている。次年度より、新規早期膵腫瘍病変特異性GEM内包型人工ウイルスを用いてin vivoにおける機能評価を行う。その後、臨床検体由来の病変を用いて機能評価を行う予定である。
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