2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659324
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
中島 祥介 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00142381)
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Keywords | 膵癌 / 幹細胞 / 抗体 |
Research Abstract |
膵癌幹細胞の体系的な同定を試み,その機能解析と臨床的意義について検討し,その結果に基づいてBispecific T Cell Engagers (BiTE)抗体を作成し,in vitroおよびin vivoにおいてその機能解析を行い,臨床応用可能な機能抗体を作成することを目標としている.本年度は膵腫瘍における癌幹細胞候補分子の発現および臨床的意義を体系的に解析することを計画した.膵癌幹細胞に対する治療標的候補マーカーとしてCD133, CD24, CD44, CD90, CD166, ESA, SHH, BMI-1を選択し,当科にて切除を行い,患者の同意が得られた通常型膵癌および膵管内腫瘍(IPMN)の標本を用いて,免疫染色にて,それらの分子の発現の検討をすすめた.しかし,いずれの分子も発現が乏しく,また恒常的な結果が得られていないため,現在のところ,さらに免疫染色の条件を設定し直し,至適条件を模索している段階である. また、マウス肝・腎虚血再灌流障害in vivoモデルを用いて,血管新生関連因子の発現の動態をReal-time PCRおよび組織学的に検討した.その結果,障害過程において,早期に主要血管新生因子VEGF発現の上昇を認めた.また同時に,サイトカイン,ケモカインの上昇を認め,VEGFのProinflammatory cytokineとしての機能が確認された.さらにVEGF受容体の発現についても検討したが,モデルによって上昇する場合と低下する場合があり,恒常的な変化が確認できず,今後さらに検討を進めていく予定.
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