2010 Fiscal Year Annual Research Report
動脈グラフト攣縮予防のための血管拡張薬溶出ナノファイバーの開発
Project/Area Number |
21659328
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
成田 裕司 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (60378221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 裕一 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (80314011)
碓氷 章彦 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30283443)
荒木 善盛 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70437010)
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Keywords | 冠動脈バイパス術 / グラフト攣縮 / DDS(ドラッグデリバリーシステム) / ミルリノ / electrosinning法 / 生体吸収性ポリマー |
Research Abstract |
本研究の目的は、冠動脈バイパス術後時として致命的となる合併症である「動脈グラフト動脈攣縮」を防ぎ、グラフト開存率を向上させ、患者の予後を改善するための、血管拡張剤を徐放化した生体吸収性ナノファイバーを用いた担体を開発作製し、その効果を検討することである。 本年度研究成果を、以下の3要項に関して報告する。(1)薬剤溶出生体吸収性ファイバーの作製:ポリグリコール酸(PGA)とポリ乳酸(PLA)の共重合ポリマー(生体吸収性ポリマー)に、ミルリノンを混和し、Electrospinning法でナノファイバー化し、ミルリノン徐放性の担体を作製した。以後の検討はこのミルリノン担体を用いて行った。(2)徐放性試験:マウス背部皮下にミルリノン担体を埋入し、経時的に取り出し、ミルリノン濃度をHPLC法で計測した。この担体はミルリノンを2日間でほぼ90%溶出する、薬剤溶出特性を持っていた。(3)in vivo血管収縮抑制効果判定:ラット大腿動脈にノルアドレナリンを投与する動脈攣縮モデルを用い、担体を埋入した群、しなかった群、ポリマーのみを埋入した群の3群を比較した。ミルリノン担体を用いた群は、有意に血流の低下を抑制し、攣縮を予防していることが示唆された。(4)副作用試験:ミルリノン担体をラット背部皮下に埋入し、経時的に採血をこない、ミルリノン血中濃度、骨髄機能、肝機能、腎機能、膵機能をモニターしたが、血中濃度は上昇せず、副作用は認めなかった。
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Research Products
(5 results)