2010 Fiscal Year Annual Research Report
解糖系異常亢進を惹起する肺癌特異的スプライシングスイッチング‐新規診断法の開発‐
Project/Area Number |
21659333
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
佐藤 雅美 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (30250830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田沼 延公 宮城県立がんセンター(研究所), 薬物療法学部, 研究員 (40333645)
野村 美有樹 宮城県立がんセンター(研究所), 薬物療法学部, 技師 (40390893)
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Keywords | 肺癌 / 診断法 / スプライシング / 解糖系酵素 / 組織バンク / ワールブルグ効果 |
Research Abstract |
腫瘍細胞における異常な糖代謝(ワールブルグ効果)と関連する、肺がん特異的な解糖系酵素遺伝子スプライシング異常の意義と分子機構を明らかにすることを目的として、臨床検体の解析や、独自のシステム開発に取り組んだ; 1) 肺がん組織アレイを用いた解析から、このスプライシング異常が非小細胞がん特異的であることが示唆された。2) レポーター遺伝子由来の蛍光タンパク発現を指標としてスプライシングパターンをモニターできる独自のシステム(スプライシングパターン可視化系)を作製し、培養細胞を用いた一過性発現系において、その有用性を確認した。次いで、このシステムを染色体に安定的に組み込んだ培養細胞を作製し、現在その動作確認を行っている。また、この系を個体、あるいは腫瘍組織レベルでの解析に応用するため、可視化系トランスジェニックマウス作製に向けた予備的検討を行った。3) ジーンターゲティングによるノックイン技術を用いてスプライシング固定化マウスの作製を行ったが、相同組換えES細胞のスクリーニングに問題が生じたため、現在その克服に取り組んでおり、近日中に解決できる目途がたった。 これら取組みにより、スプライシング異常・ワールブルグ効果を標的とした新規肺がん治療開発に向け、次年度以降の研究展開に重要な独自システムの開発が大きく前進した。 また、肺がんでの活性化が知られるErk経路の制御について、DUSP分子による制御機構を見出した。
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