2009 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍細胞のワールブルグ効果を標的としたグリオーマ細胞治療抵抗性克服への挑戦
Project/Area Number |
21659335
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
北中 千史 Yamagata University, 医学部, 教授 (70260320)
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Keywords | グリオブラストーマ / 酸素呼吸 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
現在の悪性グリオーマ治療の現状は、第一選択薬剤であるテモゾロミドを使用してもグリオブラストーマの生存中央値は高々1年半と極めて悲惨な状態であり、テモゾロミド抵抗性の克服は現在の悪性脳腫瘍研究の急務である。そこで我々は、ワールブルグ効果がグリオーマ細胞に化学療法抵抗性を賦与しているとの我々独自の仮説に則り、ミトコンドリア呼吸促進作用が期待できるものを中心に種々の生理活性物質を対象としてテモゾロミドのグリオーマ細胞殺傷効果を増強できる薬剤の探索を開始した。その結果我々は所期の効果を有する薬物をいくつか同定したが、重要なことに、これまでに最も顕著な細胞死増強効果を示した薬物Xはグリオーマ細胞のミトコンドリア呼吸を活性化する作用を有しており、またミトコンドリア呼吸阻害剤の存在下ではこの薬物Xによる細胞死増強効果が失われることが確認された。この結果は上述の我々の仮説を支持する有力な証拠となった。また、グリオーマ細胞をヌードマウス皮下に移植した皮下腫瘍モデルを用いてin vivoにおける薬物Xの効果を検討したところ、テモゾロミド単独投与ではSD(stable disease)ないしPD(progressive disease)であるのに対し、薬物Xの併用は全身的副作用をきたすことのない投与量にてCR(complete response)をもたらすことが確認されつつある。薬物Xは脳血液関門を通過することが報告されている薬物であるため、今後脳内腫瘍モデルでもテモゾロミドと薬物Xの併用効果を検討する方針である。
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Research Products
(4 results)