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2010 Fiscal Year Annual Research Report

神経幹細胞から見た水頭症の病態解明と治療への応用

Research Project

Project/Area Number 21659342
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

天野 敏之  九州大学, 大学病院, 助教 (70448413)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中溝 玲  九州大学, 医学研究院, 講師 (80529800)
橋口 公章  九州大学, 大学病院, 助教 (80448422)
Keywords水頭症 / 神経幹細胞
Research Abstract

3週齢のWistar ratの大槽に25%kaolin溶液を0.025cc注入することで、数週のうちに脳室の拡大が認められ、約70%の確率でラット水頭症モデルの作成が可能であった。脳室の拡大の程度はさまざまであり、観察期間との関連ははっきりしないが、水頭症を起こしたラットでは、神経幹細胞が存在する側脳室周囲のsubventricular zone (SVZ)自体が縮小しており、同部の総細胞数の減少がみられた。また脳室が拡大しているほどSVZの総細胞数が減少していた。前年度に作製した放射線照射による水頭症モデルとkaolin溶液の髄腔内投与による水頭症モデルを比較すると、前者は放射線照射によるSVZそのものへの影響が無視できないと考えられるが、後者はSVZそのものへの影響は少ないと考えられる。しかしながら、最終的なSVZの総細胞数の減少には有意な所見はなく、どちらもSVZの総細胞数の減少ならびにnestin陽性細胞の減少が観察された。これらの結果は脳室拡大があるときにはその原因にかかわらず、SVZの総細胞数ならびにnestin陽性細胞数の減少が生じることを示唆している。ただし、前者では照射後6時間でSVZに劇的なapoptosisが観察されるのと比較して、後者では劇的なapoptosisの増加はなくSVZの細胞数減少はnecrosisが主体だと考えられた。またその他の事象として、水頭症ラットではSVZ近傍の脳室上衣の欠損と反応性の細胞集簇を認め、同部にはnestin陽性細胞およびapoptosisが複数観察された。正常ラットでは脳室上衣にapoptosisはほとんど認めないことから、これはSVZから脳室上衣欠損部にnestin陽性細胞が遊走し、反応性に分裂した可能性を示唆している。以上の結果から水頭症の病態にはSVZに存在する神経幹細胞が大きく関与していることが推察された。

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Published: 2012-07-19  

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