2009 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺ホルモンおよび関連転写因子Pax8による軟骨代謝調節に関する挑戦的研究
Project/Area Number |
21659348
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 浩 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 准教授 (40282660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿久根 徹 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60282662)
武田 秀樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90456111)
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Keywords | 甲状腺ホルモン / Pax8 / 軟骨代謝 / 変形性関節症 |
Research Abstract |
初年度の研究の結果、以下の成果を得ることが出来た。 1)Pax8の発現パターン、発現制御に関する基礎検討:cDNAパネルなどを用いてPax8の発現パターンを解析した。各種臓器における発現は、脳、腎、甲状腺での発現が強く、軟骨ではヒト軟骨系細胞株SW1353およびマウス胎児四肢成長板での発現を確認した。特にマウス胎児四肢成長板においては増殖軟骨細胞層後期から肥大軟骨細胞層での発現を強く認めた。また変形性膝関節症モデルにおいて軟骨変性の初期よりPax8が発現していることが確認できた。 2)Pax8の軟骨における機能のin vitroでの解析:Pax8を各種軟骨系細胞株に強制発現させ、増殖能、分化能を評価した結果、増殖については明らかな差を認めなかったが、分化能については強制発現によりX型コラーゲン、MMP13、VEGFなどの発現の上昇を認め、Pax8による肥大分化促進作用が示唆された。 3)Pax8の標的軟骨マーカー分子の同定とそのプロモーター解析: 各種プロモーターを組み込んだルシフェラーゼアッセイによりPax8がX型コラーゲン、MMP13、VEGFプロモータの転写活性を有することを明らかとした。 4)Pax8および甲状腺ホルモンと既知の軟骨分化シグナル関連分子との相互作用に関する検討: 既知の軟骨分化シグナルとの相互作用を検討したが、PTHシグナル、TGFβシグナルとの関連は明らかとならなかった。 5)甲状腺ホルモン関連シグナル分子の軟骨組織における発現解析:マウス発生肢においてTRα、TRβが増殖軟骨細胞から肥大軟骨細胞にかけて広く発現していることを確認した。
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Research Products
(26 results)