2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659353
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村瀬 剛 Osaka University, 医学系研究科, 講師 (50335361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 啓之 大阪大学, 医学部付属病院, 特任助教 (00432542)
森友 寿夫 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00332742)
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
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Keywords | 末梢神経障害 / シュワン細胞 / ハンセン病 / 画像診断 |
Research Abstract |
本年度はまず過去の文献、報告を参考にして、末梢神経に親和性を示す物質の探索を行った。末梢神経を特異的に侵す疾病(帯状疱疹やハンセン病など)の原因となる帯状疱疹ウイルスやM.Lepraeに焦点を当て、まずゲノムライブラリーの入手を行った。まず最初のステップとしてハンセン病の原因菌であるM.Lepraeに注目して研究を進めた。M.Lepraeは末梢神経に特異的に親和性を示すことが知られており、その原因タンパク質とされるML-LBP21に焦点をあわせて研究を進めてきた。 まずM.Lepraeのゲノムライブラリーを入手し、そこからML-LBP21のクローニングを行った。また、マウス、ラットより後根神経節細胞、およびシュワン細胞を採取し、末梢神経系細胞の初代培養も開始した。同時にそれらの細胞の共培養も行ってきた。クローニングを行ったML-LBP21について、大腸菌を用いたタンパク質精製を行い、高純度のタンパク質精製、分離が可能となった。精製したタンパク質でマイクロビーズ表面にコーティングを行い、ML-LBP21-マイクロビーズ複合体をシュワン細胞と共に培養したところ、コントロールタンパク質をコーティングしたマイクロビーズと共に培養したシュワン細胞に比べて、有意なマイクロビーズのシュワン細胞内への取り込みの増加が認められた。本結果から、ML-LBP21がシュワン細胞表面のタンパク質に親和性を示したものと考えられた。 現時点ではML-LBP21のどの部位のアミノ酸配列(分子構造)がシュワン細胞表面に親和性を示すのかは解明されていないが、ML-LBP21をマーカーとして利用することにより、シュワン細胞が局所的に増殖する末梢神経障害部位を鋭敏に検出する新しい画像検査方法につながる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)