2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659353
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村瀬 剛 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50335361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
森友 寿夫 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00332742)
岡田 潔 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40576279)
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Keywords | 末梢神経障害 / イメージング |
Research Abstract |
末梢神経疾患は、客観的な評価方法が少なく、しばしば正確な診断に難渋することがある一方、特に、末梢神経障害の診断に有用な画像検査は現在もほとんど存在しない。外傷性末梢神経損傷や絞扼性神経障害、あるいは頸椎症性神経根障害など末梢神経に起因する疾病の頻度の高さと、確定診断の難しさを考えれば末梢神経障害をターゲットとした新しい画像検査方法の確立は社会的に大きな意義を有するものと考えられる。本研究では全く新しい試みとして、末梢神経に親和性を示す物質を見いだし、それをマーカーとして利用することにより、末梢神経障害部位を鋭敏に検出する新しい画像検査方法を開発することを目的とした。M.Lepraeは末梢神経に特異的に親和性を示すことが知られており、我々は、これまで、その原因タンパク質とされるML-LBP21に焦点をあわせて研究を進めてきた。本年度は、クローニングを行ったML-LBP21について、大腸菌を用いたタンパク質精製を行い、より高純度のタンパク質精製とこれを数十のアミノ酸から構成されるペプチドへの分離を行った。精製したペプチドでマイクロビーズ表面にコーティングを行い、シュワン細胞と共に培養したところ、数種のペプチドにおいて、コントロールペプチド群に比べて、有意なマイクロビーズのシュワン細胞内への取り込みの増加が認められた。この結果をより詳細に解析したところ、昨年のデータを裏付けるように、ML-LBP21のアミノ酸配列(分子構造)のうち、N末端側の30-40塩基配列にシュワン細胞に特異的に取り込まれるシグナルが含まれている可能性が高いことを示すデータを得た。以上の結果から、ML-LBP21から精製した数十ペプチドをマーカーとして利用することにより、選択的にシュワン細胞に標的となる物質を取り込ませることが可能となり、末梢神経の障害部位を鋭敏に検出する新しい画像検査方法につながる可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)