2009 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄グリア細胞でのtPA発現を介した脊髄根損傷モデル特異的疼痛メカニズムの証明
Project/Area Number |
21659358
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
野口 光一 Hyogo College of Medicine, 医学部, 教授 (10212127)
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Keywords | 神経根症 / tPA / アストロサイト / 疼痛 / 発現調節 / 脊髄後角 |
Research Abstract |
本研究は、神経根損傷後の脊髄後角におけるグリアの活性化のメカニズム、特にその中でtPAの関与を調べることにある。これは、グリアの活性化を介して痛み伝達に関わる神経の興奮性が上昇し、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄による神経根症の病態の一因である可能性が予想される。 21年度は、整形外科の大学院生により、まずモデル作成の習熟と、脊髄後角におけるグリア活性化の可視化に取りくんだ。その結果、 1.L4,5レベルの神経根を結紮、もしくは糸で緩く巻くCCIモデル作成を行い、疼痛行動を測定した。その結果、結紮後でも疼痛行動が出現し、CCIモデルよりも安定して出現することがわかった。 2.脊髄根損傷モデル作成後、脊髄組織を取り出し、免疫組織化学法のための組織切片作成を行った。 3.マイクログリアのマーカーであるIba-1、アストロサイトのGFAPの免疫組織化学法を施行した。安定して、Iba-1、GFAPの上昇を確認することができた。 4.坐骨神経切断と神経根切断をグリア細胞の活性化の観点から比較するために、Iba-1、GFAPの発現を比較すると、グリア活性化において差がある可能性が見つかり、再確認実験中である。 今後は、tPAなど、疼痛に関する分子の検出と、その抑制実験による疼痛への影響を確認していく。
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