2009 Fiscal Year Annual Research Report
複合性局所疼痛症候群(CRPS)の病態と発生機序に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21659364
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲田 有史 Kyoto University, 再生医科学研究所, 非常勤講師 (90254515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 達雄 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (70227908)
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Keywords | 末梢神経 / 再生医学 / 疼痛 / 神経再生 / 場の理論 |
Research Abstract |
従来CRPSに対しては外科治療は禁忌とされていたため、局所の末梢神経は病理標本がなく、末梢神経でどのような変化が起きているかに関しては謎に包まれていた。本研究では、外科的に切除したCRPS患者の末梢神経の病理的検討を透過電子顕微鏡や免疫組織学的手法をもちいて行い、ビーグル犬動物実験で作成した慢性疼痛モデルにおける変化と比較するとともに、外科的に神経再生を促したときにこの変化が可逆的に回復するかどうかを検討した。 ビーグル犬(20頭)に各々の神経損傷を作り、局所に人間のpainful Neuromaに近い状態を作るモデルを確立した。神経腫の形成に遠心性交感神経線維と感覚神経の側芽が参加するという従来の定説が正しいことを確認した。(稲田、中村) このモデルを用いて人工神経で局所再生治療を行った群と、painful Neuromaを放置した群でどのような差が出るか観察した。形態的には光顕、特殊染色、電顕を用い、機能的には電気生理学的検討compound Nerve Action Potential(CNAP), compound Muscle Action Potential (CMAP)の測定を行った。(稲田) 軸索の再生パターンの形態学的な解析には、再生部位神経の中枢と末梢の2箇所から蛍光マーカーを極細ガラス管シリンジを用いて注入して検討した。(稲田、中村) 以上の結果を専門学会誌に報告すべく、現在データの整理を行っている。
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Research Products
(37 results)