2009 Fiscal Year Annual Research Report
ラット外尿道括約筋損傷モデルにおける筋再生療法の開発
Project/Area Number |
21659375
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
平田 裕二 Oita University, 医学部, 助教 (30295183)
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Keywords | 外尿道括約筋 / 尿失禁 / 再生医療 / IGF-1 |
Research Abstract |
(目的)ヒト外尿道括約筋衛星細胞においてIGF-1やHGFが細胞増殖や浸潤、遊走を促進することを報告してきたが、1GF-1に着目しIGF-1の外尿道括約筋局所投与により括約筋筋線維の肥大が誘導されるか検討した。(方法)8週の雌SDラットをコントロール群(n=5)、IGF-1投与群(n=5)の2群にわけ尿道3時と9時に27G針を用いて生食、IGF-1(200ng/ml)を部位毎に0.3ml注射した。2ヶ月間週3回投与後に安楽死させ腔前壁、尿道、膀胱を-塊として、また大腿筋を摘出した。大腿筋と尿道の横断面をリンタングステン酸ヘマトキシリン染色にて横紋筋を染色し、括約筋は尿道12時の筋線維の直径、大腿筋は筋線維の断面積を測定し比較した。(結果)(1) 雌ラットの外尿道括約筋は12時に厚くΩ状の形態を認めた。これはヒト男性外尿道括約筋と同様の形態を示した。(2) 2群間で体重変化や大腿筋の断面積に有意差を認めなかった。(3) 外尿道括約筋の線維は平均6.0μm±1.2と平均8.2μm±2.0で有意(P=0.013)にIGF-1投与群に筋線維の肥大を認めた。(結論)雌ラットにおいてIGF-1の外尿道括約筋局所投与により括約筋筋線維の肥大が誘導された。外尿道括約筋機能不全による尿失禁治療の新しい治療戦略につながる可能性が示唆された。 (今後の予定)1GF-1の濃度設定について検討し、最大効果が得られる濃度において筋線維の肥大が機能に影響を与えているかリークポイントプレッシャー(LPP)にて検討する。さらに、筋肥大の機序についてマクロファージの浸潤や骨格筋衛生細胞数の変化を検討する。
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