2009 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤における脂質-新規のシグナル伝達系としての生理的・病理的意義-
Project/Area Number |
21659381
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武谷 雄二 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 教授 (10114539)
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Keywords | 妊娠 / 胎盤 / 脂質 / Autotaxin / リゾリン酸 / Trophoblast |
Research Abstract |
平成21年度は、研究:胎盤におけう脂質-新規のシグナル伝達系としての生理的・病理的意義-のうち、まず、正常妊娠における、妊娠中血清可溶型オートタキシン(solATX)の定量と妊娠中推移の検討として、抗ATXモノクローナル抗体を用いたEnzyme immune-sorbert assay (ELISA)により、妊娠初期、中期、後期、分娩直後の妊婦血清中solATX濃度を測定した。その結果、妊娠の推移に一致して、血清中solATX濃度が上昇し、分娩後直ちに非妊娠レベルまで低下することが確認された。この結果は、従来の妊婦血中リゾフオスフォリパーゼD(LysoPLD)活性が、妊娠中上昇し、分娩後ただちに非妊娠レベルまで低下する知見と一致した。また、正常妊娠における、胎盤のATXおよびLPA受容体LPA-2の発現と、妊娠中あるいは分娩前後の変移の検討を行った。まず、妊娠初期、中期、後期の胎盤を用いて、免疫組織化学染色、WesternblottingならびにRT-PCRを行った。ATXは、syncytiotrophoblast、villous cytotrophoblast、extravillous cytotrophoblastのすべてのtrophoblastに発現されており、このことをWestern blottingによっても確認し、確実にtrophoblastがATXを発現していることを証明した。しかし、trophoblastの分化段階による違いは認められなかった。また、RT-PCRにより、妊娠の週数に一致して胎盤組織におけるATX発現量が増加していることを確認した。これは、妊娠経過に一致して血中ATX濃度が上昇する現象と一致した。さらに、LPA受容体LPA-2の胎盤における発現を免疫組織化学染色により検討したところ、脱落膜組織において、発現が認められた。以上より、LPA系が胎盤において、妊娠の成立と維持にヒトでも関与していることが示唆された。
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[Journal Article] Expression of autotaxin, an ectoenzyme that produces lysophosphatidic acid, in human placenta2009
Author(s)
Iwasawa Y, Fujii T, Nagamatsu T, Kawana K, Okudaira S, Miura S, Matsumoto J, Tomio A, Hyodo H, Yamashita T, Oda K, Kozuma S, Aoki J, Yatomi Y, Taketani Y
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Journal Title
American Journal of Reproductive Immunology 62
Pages: 90-95
Peer Reviewed