2010 Fiscal Year Annual Research Report
iPS由来の血管内皮前駆細胞を用いて新生血管を標的とする新たな免疫療法の開発
Project/Area Number |
21659384
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小西 郁生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90192062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
万代 昌紀 京都大学, 医学研究科, 講師 (80283597)
馬場 長 京都大学, 医学研究科, 助教 (60508240)
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Keywords | iPS細胞 / 血管内皮前駆細胞 / 細胞免疫療法 / ケモカイン / 卵巣癌 |
Research Abstract |
マウスiPS細胞を理化学研究所から、LIF発現するfeeder細胞をドイツSanger研究所からそれぞれ入手し、当研究室でも未分化を保ちながら培養・増殖することに成功した。さらに、現在、ES細胞から血管前駆細胞(血管内皮細胞、血管周皮細胞、心筋細胞)に分化させることが可能とされている既報の培養条件を引用し、iPS由来血管内皮前駆細胞を作成することを最優先課題として取り組んでいる。すなわち、2008年に本学再生医学研究所から報告された本方法をもとに、一定の培養条件下でiPS細胞をfeeder細胞から分離し、血管内皮細胞用培養液(LIF不含)の中に培養細胞数の条件を振ったiPS細胞を特殊な培養皿上で分化誘導を試みている。現時点では、培養細胞の中にマウスeEPC(胚性血管内皮細胞)に類似した形態をもつ細胞が散見されるが、血管内皮前駆細胞の特異マーカーであるflk1, tie2等はフロサイトメトリー解析ではいずれも発現しておらず、分化の正確な確認は出来ていない。しかしながら条件を振った一部のiPS由来細胞の中で、初期培養から14日以上経た細胞集団の一部に拍動性の運動をするものが散見されたため、さらに7日間観察にて集団で規律を持って自働的に拍動する心筋様細胞に分化していることが判明した。すなわち、本培養法にて分化段階はまだ確定できないものの、iPS細胞を血管系へ分化誘導が可能であると期待できた。 今年度以降は、より多く細胞・培養条件を見極めながら血管への分化を進めながら、さらに安定した分化誘導法を確立し、同時に分化の段階、すなわち完全に分化した血管内皮細胞までの前駆状態において形態あるいは表現型に違いがあるのかどうかを確認すること、またさらにそれらの違いによって、サイトカイン遺伝子(ケモカインリガンド19)の導入効率や、腫瘍細胞への分布率を検討していく予定である。
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Research Products
(3 results)