2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659398
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三村 達哉 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70463867)
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Keywords | 前駆細胞 / 幹細胞 / 角膜 / 結膜 |
Research Abstract |
慢性的な提供角膜不足を解消するために、角膜の部分的再生として、培養ヒト角膜上皮シートが我々のグループを含めて国内外のいくつかの施設で臨床的に移植されている。また角膜以外の組織である結膜や口腔粘膜上皮を用いた自己培養組織を用いた移植も我々は行っているが、移植後の細胞の疲弊のため、再混濁に至ることがあり、あらたな細胞を供給する必要がある。幹細胞は、移植後の細胞供給源となりうるため、角膜以外の自己幹細胞を用いた角膜再生に期待がかかっているが、現時点では検討されていない。本研究では、角膜に最も近い組織である結膜由来の自己幹細胞を選択的に採取し、角膜上皮の再生に利用することを目的としている。我々はドナーヒト眼球ならびに白色家兎眼球より角膜上皮と結膜上皮を採取し、培養することに成功した。角膜上皮と結膜上皮ではムチンの産生など、その働きがことなるが、両者とも通常の上皮細胞用培養液で培養ならびに凍結が可能であることを証明した。また、角膜上皮および結膜上皮よりスフェアー法と呼ばれる浮遊培養法により、未分可な組織幹細胞を採取することに成功した。これらの細胞塊は神経幹細胞マーカーネスティンに陽性で、細胞増殖マーカーのBrDUの取り込みが盛んであり、通常の細胞よりも増殖能および未分化能を有しでいることを証明した。更に本年度は結膜上皮細胞をair lifting法で羊膜上で培養することにより、重層化した細胞シートを作成することに成功した。また、この再生結膜上皮シートを、角膜上皮除去後に混濁した白色家兎の角膜に移植を行った。方法としては混濁した角膜上皮を摘出をして、その上から結膜上皮再生シートを広げて10-0ナイロン糸にて縫合し移植を行った。術後1か月の間、角膜は透明性を維持し、上皮欠損は認められなかった。現在、結膜幹細胞を用いた再生上皮シートを移植する研究も進行中である。
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Research Products
(14 results)