2009 Fiscal Year Annual Research Report
臨床に直接貢献できる実用型小児先天性心疾患の血流シミュレーションシステムを構築ターミナル
Project/Area Number |
21659406
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
梅津 光生 Waseda University, 理工学術院, 教授 (90132927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
銭 逸 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80389147)
宮地 鑑 北里大学, 医学部, 准教授 (40281703)
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Keywords | 小児先天性心疾患 / Norwood術 / 数値流体力学 |
Research Abstract |
本研究は最近脳動脈瘤破裂メカニズムの解明で注目されている早稲田大学の生体流体解析モデル(Hemodynamic model)を新生児左心低形成症修復手術評価の領域に応用するものである.対象は新生児左心低形成症の手術第一スデージ(Norwood)から着手し、Glenn, Fontan各ステージの手術をコンピュータシミュレーション(Computational Fluid Dynamics, CFD)技術を用いて評価し,手術の効果予測・有効性を検討する.これを体系化することで,『臨床に直接貢献できる実用型小児先天性心疾患の血流シミュレーションシステムを構築』研究を展開している.具体的に達成した成果は: 1.先天性心疾患治療ための高精度・高効率な血液シミュレーションシステムの構築ができた. 2.5種類の症例に対し,全部で9例Norwood術後の臨床例のシミュレーションを行った結果から小児先天性心疾患の血流フローメカニズムとなるパラメータを特定できた. 3.エネルギー損失など手術評価できる新しいパラメータが明確化された. 4.小児先天性心疾患手術を予測できるシミュレーションシステムの構築が着手できた. 本研究は国内外複数施設との協力体制の確立をめざしており,大量な患者データを対象とした大規模なシミュレーションを行うことが可能となる.それにより,個別的なパラメータ分析でなく,新生児左心低形成症候群の血行力学の共通性が分析できる.術前後,または成長に伴って連続に観察することが可能となるので解析の結果から今後の手術の決定基準となるパラメータの提案を行うことが可能となる。また,いままでの経験的な治療方法の正確性を確認し,今後新しい判断指針を提案,展開していく.
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