2009 Fiscal Year Annual Research Report
熱中症に対する新たなる臓器障害戦略:骨髄間質細胞移植の有効性
Project/Area Number |
21659414
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小倉 裕司 Osaka University, 医学系研究科, 講師 (70301265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍬方 安行 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50273678)
松本 直也 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50359808)
杉本 壽 大阪大学, 名誉教授 (90127241)
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Keywords | 熱中症 / 臓器障害 / 血管内皮 / 細胞移植 / 骨髄間質細胞 / SIRS / DIC / MODS |
Research Abstract |
本研究の目的は、熱中症に対する新たな臓器障害戦略として、骨髄間質細胞移植の有効性を評価することである。熱中症に対する細胞移植による臓器障害抑制効果を明らかにするために、本研究の焦点を以下の3点に絞り実施計画を立てた。1)熱中症ラットモデルを作製し、各臓器障害の形態を明らかにする。各臓器における血管内皮細胞障害の程度や細胞死(アポトーシス)を各種免疫染色で評価する。2)熱中症モデルにおいて、発症急性期に骨髄間質細胞移植(経血管内、経脳室内)を行い、生存率の改善が得られるか評価する。各臓器障害の形態や各臓器における血管内皮障害、細胞死が改善するか評価する。3)骨髄間質細胞移植によって、血管内皮の再生応答遺伝子、細胞死の制御遺伝子発現に差が生じるかどうか、マイクロアレー法を用いて応答遺伝子の同定、解析を行う。 平成21年度は、熱中症モデルにおける各臓器障害、中枢神経障害に関する研究を進めた。具体的には、ラットの熱中症モデルにおいて、各臓器障害、中枢神経障害の形態変化を病理組織診断により経時的な評価を進めた。病理組織診断では、各臓器内の白血球集積など炎症所見の程度をとらえ、各臓器における血管内皮障害の程度や細胞死を免疫染色で評価した。この評価結果をもとに、今後熱中症モデルに対する骨髄間質細胞移植の有効性に関する研究を進める。熱中症モデルにおいて、発症急性期に骨髄間質細胞移植を行い、生存率の改善がみられるか、各臓器障害の形態や血管内皮障害、細胞死が改善するか評価する。骨髄間質細胞の血管内移植もしくは脳室内移植を熱中症発症直後、1時間後、3時間後のタイミングで行い、生存曲線、臓器障害の変化を検討する。さらに、熱中症モデルにおける多臓器障害発症時の再生応答遺伝子の発現に関する研究を進め、各臓器で発現が増強するまたは低下する遺伝子の同定、解析を行い、再生応答遺伝子の機能解析を行う予定である。
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