2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経堤と中胚葉を標識できるマウスを用いた歯髄及び骨髄幹細胞の起源と性状の解明
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21659422
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山崎 英俊 Mie University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00283987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 利之 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30452220)
川添 真史郎 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30467360)
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Keywords | 神経堤細胞 / 中胚葉 / 歯 / 骨髄 / 間葉細胞 / 幹細胞 / 分化能 |
Research Abstract |
本年度は、[1]中胚葉或いは神経堤由来細胞を標識できるマウスを用いた歯胚(歯髄)と骨髄の間葉系幹細胞の由来と性状の解析を行なった。中胚葉或いは神経堤由来細胞を蛍光標識できるマウスから歯胚(歯髄)と骨髄、胸腺の間葉細胞を単離し、細胞表面マーカーの解析と間葉系幹細胞評価法の一つであるCFU-Fアッセイを行なった。骨髄、胸腺及び歯胚(歯髄)には神経堤由来細胞のみならず、中胚葉由来の細胞も存在し、歯の間葉では神経堤に由来する細胞がコロニー形成能を持ち、主に血管周囲に存在する事がわかった。一方で、骨髄や胸腺に由来する間葉は、神経堤由来細胞のみならず中胚葉に由来する細胞も、コロニー形成能をもち、また骨、軟骨、脂肪への多分化能を持つ事がわかった。[2]骨髄と胸腺の間葉系細胞には、今回用いた神経堤由来細胞及び中胚葉由来細胞のみならず、其れ以外の細胞の寄与の可能性が示唆された。一方で、歯の間葉は、今回用いた神経堤細胞と中胚葉に由来する細胞を標識する事で、ほぼ全てが標識された事から、歯と骨髄と胸腺では、間葉細胞の由来が異なる可能性が示唆された。[3]今回、骨髄細胞の象牙芽細胞への分化能を評価する目的で、神経堤由来細胞から神経堤細胞系譜である象牙芽細胞を標識できるES細胞株を作製する計画を立てた。まず、我々が樹立したB6由来の神経堤細胞を標識できるES細胞株を用いたが、組み換えES細胞株は作製できなかった。その後、組み換え遺伝子を再作製し、さらにB6細胞株や129Sv由来のES細胞株にて同様の実験を行なったが、未だに組み換えES細胞株の樹立には至っていない。現在、理化学研究所の動物作製部門の専門家と話しあって、再実験をおこなっている。従って、当初予定していた象牙芽細胞を標識できる胚性幹細胞株を用いたマウスの作製には至っていない。
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Research Products
(9 results)