2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経堤と中胚葉を標識できるマウスを用いた歯髄及び骨髄幹細胞の起源と性状の解明
Project/Area Number |
21659422
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山崎 英俊 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00283987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 利之 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30452220)
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Keywords | 神経堤細胞 / 中胚葉 / 間葉系細胞 / CFU-F / 歯髄細胞 / 骨髄細胞 / 象牙芽細胞 / 幹細胞 |
Research Abstract |
中胚葉或いは神経堤由来細胞を標識できるマウスを用いた歯胚(歯髄)と骨髄の間葉系幹細胞の由来と性状の解析を目的とし,神経堤由来細胞を蛍光標識できるマウスと中胚葉由来細胞を蛍光標識できるマウスを用いて実験を行なった。蛍光を指標に骨髄と歯髄の神経堤及び中胚葉由来細胞を検出したところ、歯の間葉は大部分が神経堤細胞に由来し,一部が中胚葉由来の細胞からなり、一方骨髄の間葉細胞は、ほぼ半分が中胚葉由来細胞と神経堤に由来する細胞からなるが、残りの半分はそのどちらでも標識できなかった。歯髄と骨髄の間葉系幹細胞の由来を検討するために、間葉系幹細胞の検出法の一つであるColony-Forming Unit Fibroblast(CFU-F)アッセイを行なった。歯のCFU-F形成細胞は主に神経堤に由来する細胞からなり、一方骨髄のCFU-F形成細胞は神経堤のみならず、中胚葉に由来する細胞からなった。このことから、歯の神経堤由来細胞と骨髄の神経堤或は中胚葉由来細胞は幹細胞様の性質を持つことが示唆された。我々は、これらのコロニー形成細胞の分化能について検討したところ、歯では骨芽細胞、軟骨細胞や脂肪細胞へ分化できる神経堤由来細胞が存在し、一方、骨髄には少なくとも脂肪細胞と骨芽細胞への分化能を持つ神経堤或は中胚葉に由来する細胞が存在することがわかった。 これまで象牙芽細胞を特異的に標識できるES細胞株を作製することを目標に、象牙芽細胞に特異的に発現するDSPP遺伝子座に蛍光蛋白GFP遺伝子を挿入した胚性幹細胞株の組み換え体を得た。現在この組み換え細胞を用いて、キメラマウスを作製している。今後は、骨髄細胞を用いて、骨髄間葉細胞の象牙芽細胞への分化能についても検討する予定である。
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Research Products
(9 results)