2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経堤と中胚葉を標識できるマウスを用いた歯髄及び骨髄幹細胞の起源と性状の解明
Project/Area Number |
21659422
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山崎 英俊 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00283987)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 利之 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30452220)
|
Keywords | 神経堤細胞 / 間葉細胞 / 歯髄 / 骨髄 / 間葉系幹細胞 / 造血支持能 / 象牙芽細胞 |
Research Abstract |
中胚葉或いは神経堤由来細胞を蛍光標識できるマウスを用いて歯胚(歯髄)と骨髄の間葉細胞と間葉系幹細胞の由来と性状の解析を行なった。これまで、歯の間葉の大部分が神経堤細胞に、一方骨髄の間葉細胞のおおよそ半分が中胚葉由来細胞と神経堤に由来する細胞からなることをこれらのマウスを用いて明らかにした。また、間葉系幹細胞の検出法の一つであるColony-Foming Unit Fibroblast (CFU-F)アッセイにより歯のCFU-F形成細胞は主に神経堤に、骨髄のCFU-F形成細胞は神経堤のみならず、中胚葉に由来する細胞からなることも明らかにした。骨髄と歯髄の間葉細胞の比較として造血に関るサイトカインであるSCF,IL-7,CXCL12をコードする遺伝子の発現を調べた所、骨髄の間葉細胞のみならず歯髄の間葉細胞がSCF,IL-7,CXCL12をコードする遺伝子を発現している事を見いだした。さらに、歯髄の間葉細胞で造血幹細胞を培養した所、B細胞や破骨細胞の分化を支持する事を見いだした。しかし、歯髄内での造血幹細胞の存在を調べたが残念ながら造血幹細胞を含むc-Kit+Sca1+Lin-(KSL)細胞は殆ど確認出来なかった。なぜ歯髄で造血が行なわれないかはわからないが、歯髄が造血細胞治療のソースとして有用であり、また歯髄と骨髄が多くの点で類似することが示唆された。 象牙芽細胞を特異的に標識できるDentin sialophosphoprotein (Dspp)遺伝子座に蛍光蛋白であるGFPを挿入したES細胞株を作製し、キメラマウスを作製したが、残念ながら生殖キメラマウスは樹立出来なかった。現在もキメラマウスを継続して作製している。また、これらの胚性幹細胞株を試験管内で神経堤細胞に分化させた後にコラーゲンゲルを用いて腎皮膜下に移植し、蛍光の発現を確認した。今後は象牙芽細胞を特異的に蛍光標識できるキメラマウスの誕生を待って、象牙芽細胞への分化能を持つ細胞の特定や分化系を確立する予定である。
|
Research Products
(3 results)