2009 Fiscal Year Annual Research Report
軸策ガイダンス、セマフォリン分子による硬組織代謝細胞間制御機構の解明
Project/Area Number |
21659428
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
古賀 貴子 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 客員助教 (90451905)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨代謝 / 細胞間相互作用 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
Sema4D欠損マウスはその胎生期における骨形成には異常がないことをμCT解析および胎児全骨格標本を用いた解析から明らかにした。しかし、成獣マウスにおいては、sema4D欠損は優位に骨量増加を引き起こすことが判明した。さらに、骨組織標本を用いた骨形態解析から、破骨細胞による骨吸収ではなく骨芽細胞による骨形成が増大することが骨量増加の原因であることを見出した。そこで、sema4D欠損マウス由来の骨髄細胞と頭蓋冠細胞を用いて、それぞれ破骨細胞分化と骨芽細胞分化を検討した結果、破骨細胞分化には影響はなかったが、sema4D欠損破骨細胞を共存させた場合にの骨芽細胞分化が促進することを見出した。また、リコンビナントsema4Dを添加することで骨芽細胞分化は抑制された。以上の結果から、破骨細胞が分化依存的に発現するsema4Dは骨芽細胞分化を抑制する作用を持つことが示唆された。Sema4Dの骨芽細胞分化への作用を分子レベルで明らかにするために、骨芽細胞分化の必須転写因子であるRunx2とOsterixの転写発現を検討したが、これらの転写活性には影響を与えなかった。22年度は、sema4Dの骨芽細胞分化制御メカニズムを分子レベルで明らかにするために、まず、骨芽細胞に発現するsema4D受容体を同定する。現在、sema4D受容体としては、免疫系細胞で知られるCD72の発現は低いことからこの分子の可能性は除外し、plexinB1,plexinB2が骨芽細胞で多く発現していることを見抱いているので、これらの欠損マウスの骨形態を解析する予定である。
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