2010 Fiscal Year Annual Research Report
GABA(A)受容体輸送調節分子による神経因性疼痛制御の基礎的研究
Project/Area Number |
21659429
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
兼松 隆 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (10264053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 克也 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (10116684)
北山 友也 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60363082)
原田 佳枝 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60432663)
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Keywords | 疼痛 / 抑制性神経伝達 / GABA / 受容体 / 脊髄 |
Research Abstract |
本研究の目的は、新規GABA_A受容体輸送調節分子(PRIP)が、痛みの伝達機構に関与するかを探る事である。PRIPとは、GABA_A受容体シグナリングに関わる分子であり、GABAが修飾する痛みの伝達機構に関わると考えられるが、これまで痛みとの関連で調べられてはいない。そこで、PRIP遺伝子欠損マウスに対して慢性疼痛モデルを作製し、野生型同モデルマウスと比較しながら、疼痛発症および制御のメカニズムにPRIP分子がどのように関わるかを明らかにする。 1.野生型とPRIP KOマウスを用いて、テールフリックテスト・ホットプレート試験等、熱刺激に対する疼痛試験を行った。PRIP KOマウスの方が感受性に差を認めた。 2.von Freyテスト行った結果、機械刺激に対する疼痛試験では大きな差は認めにくかった。 3.野生型とPRIP KOマウスに対して坐骨神経部分結紮モデルを作製して上記疼痛試験を行い、野生型とPRIP KOマウスの疼痛反応性を比較検討したところ、両群間で差を認めた。 4.さらに、PRIPのsiRNAを用いて脊髄のPRIP遺伝子をノックダウンさせたところ、PRIP KOマウスにおける結果との類似性を認めた。よって、上記1、2、3の結果は、脊椎レベルのPRIP遺伝子欠損の表現型を表していることが示唆できた。 これらの実験結果より、疼痛制御機構においてPRIP分子が関与することが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)