2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯質表面損失症候群の診断・治療法の開発とアンチエイジング歯学の確立
Project/Area Number |
21659438
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉山 昌宏 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10201071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西谷 佳浩 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (60325123)
山路 公造 岡山大学, 大学病院, 講師 (30374531)
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Keywords | 歯質表面損失症候群 / TSL (Tooth Surface Loss) / Tooth Wear / デジタルマイクロスコープ(DMS) / 咬耗 |
Research Abstract |
う蝕歯周病に次ぐ第3の歯科疾患としてTooth Wearが注目されているがその詳細は不明な点が多いのが現状であるそこで、咬耗、摩耗、酸触を含む歯質表面損失症候群(TSL)の診断、治療法の確立を目的として、H21年度にはTSLを重度発症したヒト抜去歯(大臼歯10本、犬歯20本)のデジタルマイクロスコープ(DMS)観察をキーエンス社製LH-Z20R(主要備品)を用いて行った。その結果、犬歯ではエナメル質咬耗面積が(象牙質を含む)平均16.03mm^2、象牙質咬耗面が4.18mm^2生じていた。また大臼歯ではエナメル質咬耗面(象牙質を含む)が44.49mm^2生じていることが判明した。さらに象牙質咬耗面では90%以上の象牙質細管がブラッシャイトをはじめとするアパタイト結晶で封鎖されていることが走査型電子顕微鏡(SEM)により明らかとなった。現在TSLの疫学的調査について岡山大学大学院医歯薬学総合研究科倫理委員会に申請中であり、DMSによるTSL患者の検討を進めている。フロアブルレジンと1ステップシステムによるTSL歯面コーティング法の開発にも着手しており、脱灰後に再石灰化させた人工再石灰化象牙質をTSL発症モデルとした。その結果市販1ステップシステムであるトライエスボンド(クラレメディカル)はTSL発症モデルでは微小接着強さが対照群では29.3MPaであったものが12.2MPaまで有意に低下することが示され、現在その接着強さ低下を阻止する手段を考案中である。
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