2011 Fiscal Year Annual Research Report
石灰化誘導性モノマーを用いた新しい齲蝕治療材料の開発
Project/Area Number |
21659440
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
斎藤 隆史 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40265070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 修一 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (50382495)
永井 康彦 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (60281284)
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Keywords | 石灰化誘導 / モノマー / 象牙質再石灰化 / 象牙質再生 / 接着 / う蝕治療 |
Research Abstract |
これまでに、象牙質再石灰化を目的として開発した新規モノマーAK-100が象牙質接着界面において脱灰象牙質の再石灰化を促進する可能性が示唆されており、接着性試験および走査型電子顕微鏡観察の結果から、4-META/MMA-TBBレジンに配合するAK-100の至適濃度は5%および10%であることが明らかになっている。さらに、新規開発モノマーAK-100およびTSM-47を配合した4-META/MMA-TBBレジン(それぞれAKS,YTS)の象牙質に対する長期接着強さの検討を行い、AKS-5(5%配合)は4-META/MMA-TBBレジンの接着界面の耐久性を向上させ、YTS-5,10(それぞれ5,10%配合)は同等の耐久性を示すことが明らかになっている。 平成23年度は、昨年度に引き続き、新規開発モノマー配合レジンセメントによる脱灰象牙質の再石灰化誘導実験および接着性能試験を行った。接着界面の形態学的・結晶学的分析および微小引張り強さ試験による接着性能の評価を行ったところ、AKS-5,YTS-5およびYTS-10は板状の再石灰化結晶(アパタイト結晶)を誘導し、接着界面の耐久性向上に寄与することが明らかになった。さらに、AK-100を象牙質知覚過敏抑制剤に添加した材料を試作した。その結果、接着性能、象牙質封鎖性能ともに良好であることが明らかになった。 以上の結果から、石灰化誘導性モノマーを用いた新しい齲蝕治療材料・象牙質知覚過敏抑制材料の規格化を行うことが今後可能となり、齲蝕により脱灰された歯質(特に象牙質)を現在以上に最小限の切削で齲蝕治療を行うことが可能となることが示唆された。
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Research Products
(4 results)