2009 Fiscal Year Annual Research Report
最適空間理論に基づく「ランダム・トンネル型」骨形成スカフォールドの開発
Project/Area Number |
21659450
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久保木 芳徳 Hokkaido University, 名誉教授 (00014001)
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Keywords | 骨形成 / スフォールド / 幾何構造 / βTCP / ハニカム構造 / トンネル効果 / パイプ顆粒 / ランダムトンネル |
Research Abstract |
我々は、骨の局所的再建を目指し、これまでに、「人工ECM幾何学」の原理に基づいて、ハニカム型のβTCP構造体を開発し、骨形成に有効であることを示してきた。平成21年度においては、さらに、βTCPのトンネルが、ランダム方向に走る幾何構造体(ランダム・トンネル型βTCP、通称「雷おこし」と呼んだ)が有効である予想し、その製造と予備実験を行った。 すなわち、内径0.3mm、外径0.5mmのβ-TCP製パイプを長さ1-2mmに切断し、顆粒状(これをパイプ顆粒と呼んだ)とし、トンネルが全方向を向くような構造体を創製することに成功した。ランダム・トンネル型βTCPは、1000℃以上に加熱して焼結することによっても製造されるが、一方ではパイプ顆粒をコラーゲン線維によって包摂することによっても製作できた。 これらの成型体を1辺が5-10mm、厚さ2-3mmのブロック状に成型し、12週齢WKAH系雄ラットの頭蓋骨の骨膜下にOn-lay埋植した。6週後、摘出物を脱灰し、組織学的分析を行った。その結果、埋植後、6週にしてトンネル内に、血管と骨が入り込み、同時にパイプ顆粒の間隙にも骨が成長することが分かった。 従来、ハニカムβ-TCPは、その最適空間(0.3-0.4mm)によって、(1)吸収性の骨補填剤として有効であり、(2)血管新生と骨新生の相互関係研究に有用であった。しかし、その骨形成方向が一定であり、ハニカム体の間の骨形成が不足する場合があった。ランダム・トンネルは、その方向性を任意にし、顆粒間の空隙も最適に近づけることで、骨形成の効率を、最大限に増大できることがわかった。
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[Journal Article] Biodistribution imaging of magnetic particles in mice : X-ray scanning analytical microscopy and magnetic resonance imaging2009
Author(s)
Abe S, Kida I, Esaki M, Akasaka T, Uo M, Hosono T, Sato Y, Jeyadevan B, Kuboki Y, Morita M, Tohji K, Watari F
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Journal Title
Biomed Mater Eng. 19
Pages: 213-220
Peer Reviewed
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[Journal Article] Calcified honeycomb-shaped collagen maintains its geometry in vivo and effectively induces vasculature and osteogenesis2009
Author(s)
Yoshinori Kuboki, Shouhei Iku', Ryota Yoshimoto, Tohru Kaku, Hiroko Takita, Dong Li, Yasuo Kokai, Shunji Yunoki, Rachel L.Sammons, Kazuhide Ozeki, Teruo Miyata
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Journal Title
Nano Biomedicine 1
Pages: 85-94
Peer Reviewed
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