2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロプレシジョン・ハニカムスキャフォールドによる機能的歯周組織再生法
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21659451
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石幡 浩志 東北大学, 病院, 助教 (40261523)
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Keywords | ハニカム / フィルム / 歯周病 / スキャフォールド / 細胞接着 / 生体親和性 / 歯根膜 / 細胞培養 |
Research Abstract |
本研究では歯周病により失われた歯周組織の再生のため、細胞オーダーの高精細微小ハニカム構造を有するハニカムフィルムによる培養細胞グラフトを構築する.今年度はその実用性を高め臨床応用へ近づくために、ハニカムフィルムの特性である均一なマイクロサイズの小孔のサイズおよびその材質の違いによる、歯根膜由来細胞培養の様相の変化を観察、歯周組織再生にふさわしい培養細胞グラフト形成の条件を検討した。まずハニカム孔径について検討したところ、孔径5μmでは細胞はフィルムの立体構造内に進入することなく、専らフィルム上にて進展し、若干の重層化を伴い所々で小細胞塊(スフェロイド)が認められた。一方、孔径10および15μmでは細胞群がフィルムの内外に進展して増殖、重層化するとともに、ネスト状に組織化した。次にハニカムフィルム素材の違いについて検討したところ、まず生分解性ポリマーであるポリカプロラクトンでは、細胞増殖の初期においてハニカムフィルムのピラー構造に偽足を伸ばし進展したのに対し、非吸収性のポリスチレンを素材では細胞体は著しい樹状形態を伴いながら細胞体を線維状に進展させその長さは時には100μmに達していた。また双方の素材上にて細胞は旺盛に増殖した後、2週間後においてポリスチレン製ハニカムフィルム上では硬組織代謝マーカーであるOsteopontinおよびOsteocalcinの発現が明らかに更新した。これらの素材の違いはポリマー材の微小堅さと化学的安定性に有ると見られるが、特に素材表面の化学的安定性が歯根膜由来細胞の増殖および分化に優位に作用したものと見られ、ハニカムフィルムの持つ特有のトポグラフィーとそのポアサイズおよび素材の物理的、化学的物性が培養細胞のprolifelationとdifferentiationに対して明らかな影響を与える事が示唆された。
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Research Products
(6 results)