2010 Fiscal Year Annual Research Report
MPCポリマーを用いた間葉系幹細胞濃縮技術による再生組織の高性能化
Project/Area Number |
21659462
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (30344451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
森 良之 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70251296)
茂呂 徹 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (20302698)
藤原 夕子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (50466744)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 再生医療 / MPCポリマー / 分化 / 軟骨 |
Research Abstract |
本研究では、間葉系細胞の純化・濃縮による再生組織の特性向上を目的として、細胞接着阻害物質MPCポリマーを用いて細胞接着能の違いにより細胞を分取する培養プレート(MPCプレート)を作製し、接着性が高い間葉系細胞を選択的に回収して幹細胞特性の向上(SP細胞濃縮)を図る。最終年度である本年度では、1)MPCプレートで分離したMSCの増殖能、分化能の評価、2)MPCプレートによるSP分画濃縮の有用性検証、をおこなった。1)MPCプレートで分離したMSCの増殖能、分化能の評価、については、前年度の研究で選定されたMPCポリマー濃度5%のプレートを用いて、骨髄細胞を2500細胞/cm^2で播種して継代培養し、一継代10倍程度の良好の増殖を得た。また、多分化能に関しては、MPCプレートを用いて培養したP2,5の細胞と、MPCプレートを用いなかった対照群の細胞を比較検討したところ、MPCプレートで培養した細胞では、骨芽細胞系マーカーであるALPやRUNX2、軟骨細胞系マーカーではCOL2、COL1O、Sox9などの発現が上昇しており、MPCプレートにより、接着性が高い間葉系細胞を選択的に回収でき、幹細胞特性が向上していることが示唆された。2)MPCプレートによるSP分画濃縮の有用性検証、では、MPCプレートを用いて分離したMSCと対照細胞を用いて再生骨を作製した。ラット骨髄細胞をMPCポリマー濃度5%のプレートに播種して細胞を分離し、さらに、10%FBS含有培養液でP2まで継代培養し、人工骨とともにラットの背部に移植した。MPCプレートで分離したMSCを用いた再生骨は、対照細胞を用いて再生骨に比べ、組織学的にも生化学的(アウカリホスファターゼ活性)にも優れ、MPCプレートによる幹細胞特性の向上が検証された。
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Research Products
(20 results)