2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト智歯由来組織幹細胞のステムネス性とiPS細胞誘導効率の検証
Project/Area Number |
21659464
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
柴田 敏之 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 教授 (50226172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 大二郎 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60377653)
牧田 浩樹 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (50345790)
加藤 恵三 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (40397336)
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Keywords | ヒト / 智歯 / 歯髄 / 幹細胞 / iPS細胞 |
Research Abstract |
研究材料: 岐阜大学大学院医学系研究科にて倫理審査委員会の指針に従って研究協力の同意の得られた抜去智歯より樹立した細胞株(DPSC)を用いて、オルソパントモ写真と対比し、その形成状態に応じて、「歯冠形成期」・「歯根形成期」・「歯根完成期」に分類すると伴に、最も未成熟な段階の「歯冠形成期」の細胞株を継代培養し、継代によるステムネス性の変化について検討し以下の成果を得た。 ◆DPSCの増殖・分化能の評価 より未熟な形成期の歯から得られるDPSCは高い増殖・分化能(ステムネス性:幹細胞性)を持つが、継代培養により喪失すること、この喪失過程でWNTシグナル(Wnt-16)が良い指標となることを明らかにした(Takeda et al. J Dent Res.)。 ◆ヒト智歯由来DPSCからのiPS細胞誘導効率の検討( 癌遺伝子(c-Myc)を除くOct3/4、Sox2、Klf4の3遺伝子の導入によるDPSCのiPS細胞化(初期化)を行い誘導されるiPS細胞の樹立効率は、ヒト皮膚線維芽細胞に比べ10~100倍高く極めて有望なリソースと考えられた。また、智歯形成段階では未成熟の歯髄細胞の効率が高い事が示された。さらにDPSCはOct・Soxの2因子の導入でも樹立可能であることを見出し、DPSCがiPS細胞の供給源として有用であることを示しつつある(Tamaoki et al. J Dent Res.)。
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